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認知症介護が楽しくなる?電話対応で見えた母の「かわいい」一面【認知症母との介護生活#14】

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更新日

ぱいなっぷりん

60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。

▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼

>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】

電話に出ようとしたら

認知症になると
大切なことを 忘れたり
失敗したり

そのことを
恥ずかしい
と思う気持ちが あると

対面を取り繕うために
嘘を付くことが ある

例えば

探していた入れ歯が
例えば 冷蔵庫 などといった
想定外のところから出てきた時も

自分じゃない
と 言い張る とか

そんな時 母は

結構 いつも
目が泳いじゃったり
俯いちゃったりする
三流役者

でも

今回は 違った

実に見事な 女優っぷりだった

その日

母が 電話を
下の階で取ったことに 気がついて
確認のために 階段を降りかけた時

階下から 母の声が聞こえた

今 思い返すと
母は 最初
電話の相手が 誰だかわからず

は? は?

と 何度も 問いかけていた

でも すぐに
誰だかわかっ(たふりをし)て
親しげに 会話を始めた

ああ 母の友人からの電話ね
そう思って 話を聞いていると

母は いつもと違って
言葉を 流れるように紡いで

自分のことや
別の友人の近況を 聞かれても
スラスラ 話している

やっぱり 友人と話すと
いい緊張状態になって

記憶の回路も 活性化して

認知機能も 上がるんだろうな

と それを聞きながら
うれしかった

お友だちって
ホント ありがたいな

とも 思った…

ん ・ だ ・ が !!

確かに
その時

ちょっとした違和感は
あった

急いでもいないのに
母が 無理やりな感じで
会話を終わらせよう
としていた感じは した

だけど

まさか

電話を切った 途端

はぁ~~~っ


特大溜息をつくとは!

もし 母がマヨネーズだったら
1グラムも残さず
絞り出したんじゃないか
と思うくらいの感じ

そして
続けて ドスのきいた大声で

誰だか
全然 わかんなかったわっ


吐き捨てるように 言うとは!

もし 母がマヨネーズだったら
マヨラーでも
もう いらない
というくらい
てんこ盛り 絞り出した感じ

きっと
精一杯 演じていたんだね

だから
電話を切った 途端

口から本音が
漏れちゃったんだね

たまに
傍から見ると 笑っちゃう
こんなことがあると

煮詰まりがちな
介護の日々の中で
一瞬
気持ちに 余裕が生まれて

そんな時

母のことを
かわいいって 思うし

介護してても
楽しいって 思う

▼次回はこちら▼

>>母に「ママ」と呼ばれた日。私の子どもになるなんて、ズルくない!?【認知症母との介護生活#15】

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