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寝つきの悪さは「体内時計のズレ」が原因かも!? 多くの人が勘違いしている「睡眠の質と時間の関係性」

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ゆうゆう編集部

雑誌「ゆうゆう」読者の調査では、約7割の人は「眠りが浅い」「夜中に何度か目が覚める」といった悩みがあるという結果に。そこで、覚醒をつかさどる「オレキシン」を発見した睡眠ドクター・櫻井武さんから、睡眠に関する驚きの新常識を学びます。

▼睡眠の新常識①②はこちらの記事▼

>>睡眠不足が「認知症リスク」に直結? 専門家が教える正しい睡眠のコツとは?

教えていただいたのは
櫻井 武さん

さくらい・たけし●医学博士。
筑波大学医学医療系教授、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構教授・副機構長、日本睡眠学会評議員。
筑波大学大学院在学中に、血管収縮因子・エンドセリンの受容体を単離。
テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターにて、柳沢正史さんとともに、睡眠障害・ナルコレプシーの原因となるオレキシンを発見した。

睡眠の新常識③ 「深く眠れば、時間は短くていい」わけではない

健康的な眠りを導くのは、同じ時間・睡眠量・眠りの深さ・正しい睡眠経過

「睡眠には、脳が休息している『ノンレム睡眠』と、脳が働き体や感覚が弛緩する『レム睡眠』とがあります。レム睡眠は浅い眠り、と思われることが多いのですが、それは間違い。ノンレム睡眠の中に深い眠りと浅い眠りがあり、レム睡眠とは全く別のモードで、それぞれに役割があります。

睡眠圧が高まると眠りが深くなりますが、深い眠りが長く続くのは睡眠不足の兆候で、深さだけで睡眠の質は測れません。生物学的に健康な睡眠とは、①同じ時間に眠気が訪れる、②睡眠時間が一定である、③寝入りばなに浅いノンレム睡眠から深いノンレム睡眠になり、一定の時間でレム睡眠が起こり、徐々にノンレム睡眠の眠りが浅くなる、④中途覚醒が少ない、という正しい『睡眠経過』をたどる睡眠です。一晩の間に、ノンレム睡眠+レム睡眠の組み合わせは4~5サイクル出現します(下図)。

大事にしたいのは、就寝後、最初に現れる深いノンレム睡眠。このとき『成長ホルモン』が最も多く分泌され、全身の組織の修復を行います。22時〜2時が睡眠ゴールデンタイムといわれますが、時刻は関係ありません。眠る前にうたた寝やカフェイン摂取などで睡眠圧を下げないようにしましょう」

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