寝つきの悪さは「体内時計のズレ」が原因かも!? 多くの人が勘違いしている「睡眠の質と時間の関係性」
睡眠の新常識④「メラトニン= 睡眠ホルモン」は誤解
メラトニンが働きかけるのは体内時計。その結果、眠りに誘われる
「メラトニンは体内時計を機能させるための物質で、睡眠とはほとんど関係がありません。睡眠導入剤としてメラトニン作動薬が使われることもありますが、体内時計を整えつつ睡眠を正常化していくもので、効果を感じるまでに時間が必要です。
実際、体内時計に問題を抱える人は多く、寝つきの悪さの要因です。問題は大きく分けてふたつ。ひとつは体内時計のズレ。私たちの体は数百年前のまま、日の出とともに覚醒し、暗くなると眠ります。ところが、カーテンを閉めた部屋で起き、眠る直前までスマホを見ている文明社会では、体内時計が狂ってしまうのです。もうひとつは、加齢で体内時計の振幅が狭くなること。昼と夜のメリハリ、つまり睡眠と覚醒の境目が小さくなり、昼はうとうと、夜はぼんやりしている状態になるのです。
いずれの場合も体内時計を整えるのに大切なのは、光環境。夜はなるべく暗い環境に身を置く。それ以上に大切なのが、日中、少しでも外に出ること。私たちの視覚は光を調節するため違いを感じにくいのですが、明るい室内は数百~千数百ルクス、外は十数万ルクスと、光の明るさが全然違うのです」
体内時計を整えるTips
①日中、外に出る
②布団に入ったら、スマホの光を浴びない
③眠る前の時間は、明るすぎない場所に身を置く
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取材・文/森山佳織
※この記事は「ゆうゆう」2025年8月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
