老年医学の専門医・山田悠史先生が教える「家族の負担を軽くする介護施設選び」が目からウロコ!
介護施設っていろいろあって複雑で難しい……と思っていませんか。米国老年医学専門医の山田悠史さんが、施設の選び方をわかりやすく解説。話題の新刊『認知症になる人 ならない人 全米トップ病院の医師が教える真実』から、一部抜粋してご紹介しましょう。後編は、本当に必要な介護施設について。
▼前編はこちら▼
>>認知症の先にある「介護」問題。知らないとまずい「段階」とは?【『認知症になる人ならない人』の山田悠史先生が解説】本当に必要な施設とは?
ケアマネジャーかソーシャルワーカーに相談を!
認知症の進行に伴い、「このまま家で介護するのは厳しいかもしれない」と感じる時期が来ることもあります。家族としては、なるべく自宅で看たいという思いもあれば、負担が増してしまうことへの不安もあるでしょう。あるいは、親御さんが遠方で一人暮らしで、一緒に暮らすことは難しいというケースもあるでしょう。
そんなときに選択肢となるのが、特別養護老人ホーム(特養)やグループホーム、有料老人ホームなどの介護施設です。しかし、「どんな施設が適しているのだろう」「費用面はどうなっているのか」と疑問はつきません。ここでは、認知症の方が施設を利用する場合の流れや、施設選びの基本的な考え方について見ていきましょう。
まず、施設が必要になる大きなきっかけのひとつが「入院後の退院先をどうするか」というケースです。大きな病気や怪我で入院し、治療自体は終わったものの、入院前とは病状が変わってしまい、自宅に戻ってしっかりと介護できる体制がない、そんな状況に直面することがあります。
この場合は、病院の担当医やソーシャルワーカーと相談しながら、次のステップとしてどんな施設が適しているか情報収集するとよいでしょう。病院には退院支援のための窓口があり、退院先の相談に乗ってくれます。
認知症の症状や身体機能の回復度合いを踏まえて、在宅介護が難しいと判断される場合は、「どの施設なら本人の状態に合っているか」を一緒に検討してくれるでしょう。
一方で、在宅で介護している段階から「そろそろ施設を考えたほうがいいのかもしれない」と思うこともあるでしょう。その場合は、在宅介護のときから連携をとっているケアマネジャーにまず相談するのがお勧めです。認知症の方が日常生活でどの程度支援を必要としているのか、家族がどれくらい介護負担を引き受けられるのかなど、総合的に把握しているからこそ、「今の状態ならこう工夫すれば在宅でやっていけそうです」「ご家族の負担が限界なら、早めに施設を探しましょう」といったアドバイスを得られるでしょう。
施設探しについても、地域包括支援センターや市区町村の高齢者福祉窓口などと連携しながらサポートを行ってくれることが多いと思います。
