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幸福度の高い人がしているたった2つのコトとは?心理学者が教える心のラクな生き方

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内藤誼人

人間関係は薄っぺらでいい。ペラペラの関係でもあるだけで幸せになる

「腹を割って話せる友人がいない」と悩む人は、少なくないようです。

SNSではたくさんの人とつながっている。仕事では多くの人とかかわるし、子どもの学校や習いごとで顔を合わせるママ友、パパ友もいる。でも、どの人とも表面的なつきあいで、誰とも深く心を許せる関係にならない......。

そんなもやもやをかかえている人は、実はとても多いのかもしれません。

でも、それはあなたが悪いわけではありません。「人間関係は濃密であるべきだ」という思い込みが、知らないうちに心を締めつけているのです。

けれど、心理学の研究からすれば、人間関係は薄っぺらでいいんです。

心から信じられる人?
すべてをわかり合える親友?
そんなものいなくても、人は十分満足できるし、幸せになれるということを検証した研究があります。

カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のギリアン・サンドストロームは、講義を履修している242名の大学生を対象にある実験を行いました。「知っている受講生の名前と関係性のレベルを書き、講義前後の会話の有無と幸福感を記録する」という調査です。

その結果、ほんの短い会話でも、誰かとコミュニケーションをとるだけで幸福感が上がる傾向があったのです。

この研究を応用すれば、私たちが感じる孤独感や人間関係における劣等感も意外と簡単に解消できるかもしれません。

いちばん手っ取り早いのは、挨拶です。
近所の人でも職場の人でも、コンビニの店員さんでも、とにかく「おはようございます」「こんにちは」とひと声かけてみましょう。たいていの場合、相手も笑顔で返してくれるでしょう。たったそれだけでも、私たちの心は小さな幸せを感じ取れるようにできています。

濃密な人間関係でなければ価値がない、なんてことはありません。

薄っぺらな関係にも、ちゃんと意味があります。紙みたいにペラペラでも、それがあるだけで心は豊かになるのです。

昔は、電車で隣り合った人に「これ、食べる?」ってみかんをくれたりするおばあちゃんがいましたね。あれは小さな幸せの循環だったのだと思います。

今では、知らない子どもに声をかけたりすると、すぐに不審者扱いされてしまって、なかなか声もかけにくい時代。それでも、赤ちゃんが泣いていたらそっとあやしたり、「かわいいですね」とほほえみかけたり、お年寄りに席を譲ったり、できることはたくさんあります。「みかんをくれるおばあちゃん」を見習って、小さなコミュニケーションを増やしていきましょう。

挨拶でもたわいのない世間話でも、とりたてておもしろくない天気の話でもかまいません。人間関係の思い込みから自由になり、「薄っぺら万歳!」と思って表面的なコミュニケーションを楽しめばいいのです。

きっと心がラクに、そしてほんわかと温まる瞬間が増えていくはずです。

関係の深さよりも数や軽やかさが、心の栄養になっていることもあるのです。

イラスト/髙栁浩太郎

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※この記事は『くよくよしたら手を洗おう。』内藤誼人著(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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