【安藤和津さん・77歳】自分の時間を真ん中に添える生き方「シン・自立」への挑戦
1日1個の楽しいことを見つける
安藤さんは1日1個楽しいことをすることを心がけている。
「1日1日がラストデー。ひとつでも個楽しいこと積み上げようと思って」
それは普段食べないヒレカツ丼を食べることだったり、隙間時間に映画を見に行くことだったり、とても些細なことだ。しかし、そんな小さなご褒美が毎日を豊かにしている。
陶芸教室、シャンソンレッスンに続いてヒップホップダンスも習い始めたいとか。「筋肉は70過ぎてもつく」という信念のもと、体を動かすことを大切にしている。
新しい友人関係と社会参加
若い友達との交流も大切にしている安藤さん。50代の麻雀仲間もいる。
「私の母は仲のよかった友だちに先立たれて、一緒に遊びに行く人がいなくなってしまって」
それも母の老化を早めた原因のひとつだったかもしれないと振り返る。
好奇心を失わず、外に出て新しい人とのつながりを作ることの大切さ。それは母の経験から学んだ教訓だった。
男性の家庭内自立もカギに
安藤さんは、女性の自立には男性の家庭内自立も不可欠だと考えている。
「男性が家庭内自立をしていないから女性がなかなか人としての自立がしにくいっていうことが根底にあるんじゃないかなと思うんです」
学校教育でも、掃除機のかけ方や洗い物の仕方、服の畳み方など、生活力を身につける教育の必要性を強く感じている。さらには「女性の扱い方まで教えてほしい」とユーモアを交えて語ってくれた。
「自立」は家族と距離をおくことではない。家族を大切にしながらも、自分の人生を取り戻す静かで着実な挑戦なのだ。
▼あわせて読みたい▼
>>91歳・現役ヘアメイクアップアーティスト「老後資金は1,000万円だけ残し、あとは人のために使っちゃいました」【カオリ・ナラ・ターナーさんのターニングポイント#1】 >>海外旅行12年ぶり!【イラストレーター・堀川波さん】英語が苦手でも「好き」を共通言語に世界中どこへでも >>「早く60歳になりたい」年齢にとらわれず、幸せを掴み続ける行動術【LiLiCoさんのターニングポイント・前編】
撮影/中村彰男
スタイリング/松田綾子(オフィス・ドゥーエ)
ヘア&メイク/高瀬央子
取材・文/志賀佳織
