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バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?

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吉原美奈子

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?

鉢植えのアーチ仕立てにもぴったりのつるバラ‘ジャスミーナ’。伸長2~3mなのでボリューム管理がしやすく、香りもよいのが特長です。

バラを育てていると、きれいな花なのに印象が薄くて残念とか、逆に大きくなりすぎてバランスがいまひとつなどと感じることはありませんか? 素敵なバラ庭作りのためには、自分の庭にとって正解のボリュームの品種を選ぶことも大事です。

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?(画像2)

大輪の‘キャラメル アンティーク’はボリュームのある花ですが、直立性のため高さをより感じさせます。香りもほどよく、玄関先などにおすすめ。

バラのボリュームはどこで判断する?

いままでたくさんのバラ庭を見せてもらってきましたが、素敵な庭はどこもバラのボリュームと庭の広さが合っています。

バラのボリュームは樹高張り(の幅)、葉の多さの組み合わせで決まります。
つるバラなら伸長や数がポイントになります。
また開花期であれば、花付きがとてもよい品種はボリューム豊かに感じますし、少なめだとすっきりとか涼し気であると感じます。

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?(画像3)

同サイズのバラなら、花色が薄いとボリュームが少なく、濃いとボリューム大に感じます。花付きも、固まって咲くか分散するかで印象は違います。

ボリュームが豊かなほうが良いとか、悪いとかの問題ではなく、自分はどんなボリュームで咲くのを期待しているのか、どちらが自分の庭に合うのかを考えることが大切なのです。

それぞれの品種には、健康に育てば大体どれくらいのサイズになるかの目安があり、それは苗のうちからわかります。

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?(画像4)

半つる性のイングリッシュローズ‘ストロベリー ヒル‘。枝は1.5mほど伸びます。小ぶりのアーチや鉢植えにも向き、とげが少なく扱いやすい品種です。

ボリューム管理に大切な品種選び

初心者の場合、花の色や形でバラを選んでしまいがちですが、苗に付いているラベルで品種名を確認し、カタログやインターネットでサイズを確認することはとても重要です。

樹高はバラの背の高さなのでわかりやすいのですが、張り〇㎝と表記してあるケースはあまりありません。
幅は数値ではなく樹形から推測するのが普通で、直立性はがすっと上に伸びるためスリムでボリュームは少なめです。

横張り性はが横に向かって伸びるため、幅をとりボリュームが出ます。
さらにそれぞれの中間である、半直立性と半横張性があります。
HT(ハイブリッドティー)やFL(フロリバンダ)であれば、樹高より張りのほうが大きいという品種はあまりありません。

イングリッシュローズをはじめとするシュラブローズは、半つる性の樹形が多いため、は大きくなりますが、冬の剪定の時期にを希望の長さに切り込んでコンパクトに管理することも可能です。

つるバラの場合、一般的なクライミングローズは伸長2.5~4m程度で、フェンスなどにややぴったりに這わせるとボリュームが出すぎることもなく管理は意外と楽にできます。

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?(画像5)

大型のプランターでバラ3株を育てている例。今後は2株に絞って草花をプラスするほうが、ボリュームの観点からもまとまりやすいでしょう。

ただしランブラーローズでは5m以上、放置しておくと10mにもなるものもあります。
こうなると家庭で適切なボリュームを維持するのは難しいでしょう。

バラ園で見る‘ポールズ ヒマラヤンムスク’や‘メイクイーン’ 、‘フランソワ ジュランビル’などはとても素敵ですが、ボリューム管理ができるかどうか考えて植えるようにしてください。

バラをきれいに育てる意外なポイント!初心者向け【ボリューム管理】とは?(画像6)

ロシアのガーデン愛好家の庭に咲く‘クインシー ジョーンズ’。ジャズミュージシャンの名にちなみますが、日本では販売されていないようです。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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植え替えとは、鉢植えや地植えの植物を別の場所や容器に移して育て直す作業を指します。生長に伴って根詰まりを起こしたり、用土の養分が不足したりした場合に必要で、植物の健康を保つために欠かせない手入れのひとつです。時期としては休眠期や生長初期が適していて、新しい用土や大きな容器、広い場所に植え替えることで根の活性化を促します。根の状態を確認しながら丁寧に行うことで、再び元気に育ちやすくなります。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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鉢増しとは、植物を育てる際に現在使用している鉢よりも一回り大きな鉢に植え替える作業を指します。これは、植物の生長に伴って根が鉢内で窮屈になり、十分な生育が妨げられるのを避けるために行います。鉢増しを行う際には、根の状態を確認し、不必要な根を軽く切り整えることで、新たな鉢で健やかな生長を促すことができます。ガーデニング初心者にも比較的手軽に取り組める作業であり、観葉植物や鉢花を美しく保つための大切なステップです。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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開花とは、植物がつぼみから花を咲かせる現象を指し、植物のライフサイクルの中で繁殖を目的とした重要な段階です。開花には品種ごとの遺伝的要因に加え、温度・日照・水分・肥料などの栽培環境が大きく関係しています。開花の時期や条件を正しく理解することは、ガーデニングにおいて花を美しく咲かせるための基礎知識の一つとなります。

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誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

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樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

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樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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株とは、地面から芽を出して生長している植物の基本単位を意味し、特に多年草や野菜苗などでよく用いられます。例えば「このラベンダーは大株に育った」といったように、株の大きさや状態は植物の生育具合を示す指標にもなります。ガーデニングでは株分けや株の更新、株元の管理など、長期的な育成を考えるうえで頻出する概念です。

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枝とは、植物の幹や主軸から分かれて伸びる部分で、葉や花、果実をつける役割があります。枝の生え方や配置によって光の取り込み方や風通し、樹形が左右されるため、剪定や誘引を通じて理想的な姿に整えることがガーデニングでは大切になります。

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