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62歳とは思えないビジュアル!【松村雄基さんのターニングポイント#2】50代になって初めて向き合った“自らのコンプレックス”とは?

届けたいのは「人生捨てたもんじゃない」というエール

なぜそこまでストイックに、表現することを追求し続けるのか。そのヒントは、舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』の中にあるようだ。

「服部良一さんのセリフにある、『幸い命をとりとめたんだ。いい曲を書こう。いい歌を唄おう。敗戦ですべてを失った人たちの生きる力になるような』ということに、服部さんの思いは集約されると思うんです。

それは、我々役者も同じです。『生きるのって辛いけど、そうまんざら悪いことだけでもないよね。人生、捨てたもんじゃないよね。だからがんばっていこうよ』というエールを、お芝居を通じて見てくださる方々にお届けしたい。だから役者をやっているんです。そういう思いの部分でも、服部さんには非常に共感を覚えています」

シャンソンがくれた“生きるヒント”

お芝居と真摯に向き合い続ける松村さんが、50代からまた新たな挑戦を始めている。シャンソンだ。

「もともと音楽に対して、ちょっとコンプレックスがあったんです。ちゃんとした音楽教育を受けてこなかったものですから。ミュージカルに出させていただいたりはしていますけれども、基礎的な部分が自分には足りていないんじゃないかと、ずっと思っていました」

その少し硬くなった心を解きほぐしてくれたのが、シャンソンの持つ「懐の深さ」だった。

「シャンソンも、最初は人生経験を積んだ大人が歌うお洒落な歌というイメージで、自分には敷居が高いと思っていました。でもある歌手の方が、まるでセリフを言うかのように歌っているのを聴いて、『こういう表現なら僕にもできるかもしれない』と思ったんです。

いざ歌ってみると、シャンソンの自由さに感動しました。シャンソンって、フランス語で『歌』そのものを指すんですって。つまり、何でもウェルカム。同じ曲でも、歌う人によってまったく違う物語になる、その懐の深さに救われた気がしました。

僕にはもともと『こうしなければならない』と自分を追い込んでしまうところがあるんですが、シャンソンは『歌いたいように歌っていいんだよ』と言ってくれている気がして。大切なのは、この世界を自分がどう感じるか。気楽とまではいきませんが、その世界で遊ばせていただいているという感覚があります。

だからシャンソンを歌うときは、もちろんプレッシャーはあるけれど、ちょっぴり楽しいんですよね。『もっと肩の力を抜いて、自由にやってごらんよ』と、人生のヒントをもらったような気がします」

【Information】『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』

香川に生まれ大阪で育った笠置シヅ子(キムラ緑子)は、歌劇団に憧れ大阪松竹座へと押しかける。偶然居合わせた音楽家・服部良一(松村雄基)に才能を見出され、大阪松竹少女歌劇団(のちのOSK)へ入団し、やがてトップスターとなる。さらに本格的なショーを目指して上京した彼女は、戦争の影響や花森興業の御曹司・花森英介(林翔太)との運命的な恋を経て、戦後日本を代表する人気歌手へと成長していく。数々の出会いや試練を乗り越え、どんなときも明るく歌い続けたシヅ子。涙と笑顔に満ちたその人生を、「東京ブギウギ」「ラッパと娘」「ジャングル・ブギー」など珠玉の名曲とともに描く感動の舞台。

作/小野田勇 補綴・演出/齋藤雅文
出演/キムラ緑子、林翔太、惣田紗莉渚、賀集利樹、曽我廼家寛太郎、一色采子、桜花昇ぼる、松村雄基 他

【東京公演】2026年1月2日~20日 三越劇場  
全席指定1万円(税込)
チケットホン松竹☎︎0570-000-489もしくは03-6745-0888(10:00〜17:00)
チケットWeb松竹(24時間受付)

【京都公演】2026年1月24日~2月1日 南座
1等席1万2500円、2等席7000円、3等席4000円、特別席1万3500円(いずれも税込)
チケットホン松竹☎︎0570-000-489もしくは06-6530-0333(10:00〜17:00)
チケットWeb松竹(24時間受付)

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撮影/園田昭彦

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