間違って使いがち！【おもむろに】は「ゆっくりと」？「不意に」？【クイズ】
【おもむろに】の正しい意味は【ア】
もともとの意味はア。
あわてたり勢いをつけたりせず、ゆっくりと、重々しく動作をする様子を表します。漢字では「徐に」と書き、車がゆっくりと走行する「徐行」などにも使われる、ゆっくり、穏やかになどの意味を持つ漢字です。
平成26年度の「国語に関する世論調査」では、「ゆっくりと」が44.5％、「不意に」が40.8％という結果になりました。
この原因の一つは、文中から意味を推察するのが難しい表現であることでしょう。「おもむろに」は、止まった状態から動き始めたり、別の動作に移ったりするときに使うことが多い言葉です。たとえば「読んでいた本を閉じて、おもむろに席を立った」という文だと、「不意に」「突然」という意味でも通じてしまうため、誤解してしまうことはしかたがないといえるでしょう。使われ方からも違和感のない文章になっていることが多いため、正反対の意味として理解されていると考えられます。俗な言い方として載せている辞書もありますが、誤りとしている辞書のほうが多いです。上記の調査では半数近い人が「不意に」という意味だとしていますが、定着したとは言い難いでしょう。
用例
○ おもむろに眼鏡をかけ、本を読み始めた。
○ しばらく沈黙していたが、おもむろに口を開いた。
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※この記事は『間違いやすいことばの意味探し辞典』（三省堂）の内容をWEB掲載のために再編集しています。
