意味を間違えて使っているかも!?【(議論が)煮詰まる】とは結論が出る状態? 出ない状態?【クイズ】
【煮詰まる】の正しい意味は【イ】
もともとの意味はイ。
「煮詰まる」は、調理の際に具材が煮えて水分がほとんどなくなることを意味しますが、そこから議論が十分に尽くされて結論を出す段階になることを「議論が煮詰まる」と言うようになりました。
しかし、実際には「行き詰まる」という意味で使っている人がかなり多いようです。平成25年度の「国語に関する世論調査」では、「結論が出せない状態になること」が40.0%、「結論の出る状態になること」が51.8%という結果が出ました。年代別に見ると、49歳以下では「結論が出せない状態になる」を選んだ人が多く、50歳以上では逆に「結論の出る状態になること」を選んだ人が多かったです。
若い世代が「結論が出せない状態になる」という意味にとらえるのは「行き詰まる」と語感が似ているからでしょうが、人によって「煮詰まる」の意味がまったく逆になることには注意が必要です。若い部下が年長の上司に「会議が煮詰まっています」と報告した場合、部下は「行き詰まっている」と報告したつもりが、上司は「そろそろ結論が出そうだ」と受け取るといった誤解が生じる場面もありそうです。
用例
○ 議論が煮詰まったので、そろそろ結論を出そう。
○ これだけ時間をかけているのに、なかなか議論が煮詰まらない。
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※この記事は『間違いやすいことばの意味探し辞典』(三省堂)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
