親の介護施設への入居が決まったら、家族がすることは?持ち込む荷物はどうする?
親の介護施設への入居が決まったら、家族の役割を見直して、納得のいく介護をしたいですね。施設に持ち込む荷物はどう考える? 入居後の家族はどんなサポートをするといい? 話題の新刊『親の介護で知りたいことが全部のってる本』から、一部抜粋してお届けします。
介護施設への入居準備中や入居後に家族がすることは?
持ち込むものは最小限に
親の介護施設への入居をスムーズに進めるには、入居前の準備と入居後のサポートの両方が大切です。まず入居前には施設選びを慎重に行い、見学や体験入居で雰囲気を確かめましょう。必要な書類や健康診断書、介護保険証、印鑑などをそろえ、入居契約の内容を家族でよく確認しておきます。
持ち込む荷物は最小限にし、使い慣れた衣類や写真など、本人が安心できるものを選ぶとよいでしょう。また、金銭管理や郵便物の受け取りなど、今後の生活に関する事務的なことも整理しておくと安心です。
スタッフとの交流も重要
入居後は、しばらくの間はこまめに様子を見に行きましょう。環境の変化で戸惑う人も多いため、家族が顔を見せて安心させましょう。家族がスタッフとよい関係を築き、体調や生活の様子を定期的に確認することも大切です。できれば施設の行事にも参加し、実際に生活の様子を確認しましょう。
入居は「新しい暮らしの始まり」です。家族が寄り添いながら、穏やかに過ごせる環境づくりをサポートしていきましょう。
入居後の生活やメンタルのサポートが家族の重要な役割
入居後に家族がすること
□ ケアプラン・ターミナルプランの作成に参加する
介護方針を決めるケアプランや、終末期を見据えたターミナルプランの作成には、家族の参加が欠かせません。本人や家族の状況や希望を伝えることで、安心できる支援体制に。
□ 連絡窓口になる、支払いを行う
施設との連絡窓口を家族が担当することで、体調変化や緊急時の対応がスムーズに行えます。請求書や領収書の管理、支払いの確認なども大切な役割です。確実に対応しましょう。
□ 面会に通って生活をサポートし親の様子を確認する
定期的に面会し、表情や話し方、体調の変化を観察することで生活状況を確かめられます。衣類の入れ替え、好物の差し入れなど、小さなサポートが親の心の支えにもなります。
□ 施設の行事に参加する、スタッフとコミュニケーションをとる
施設の季節行事やイベントに参加すると、親の暮らしぶりが感じやすくなります。職員とも積極的に話しておくと信頼関係づくりにつながり、日々の様子を共有しやすくなります。
□ 入院時などに駆けつける
急な体調悪化やケガなどで入院となった場合、家族の立ち会いや説明を求められることがあります。入院手続きや持ち物の準備、治療方針の確認など、迅速な対応が必要です。
□ 死亡時に手続きをする
連絡を受けたら、速やかに対応します。葬儀の準備や施設退去の手続き、荷物の整理、関係機関への届け出などすることは多いため、流れを把握しておくとあわてずにすみます。
私の介護体験
父は1人で家にいたころは、一日中テレビを見て閉じこもりがちでした。サ高住に入ってからは規則正しい生活を送り、季節のイベントも楽しみ、要支援2から1へ。日々の話し相手ができたことが大きかったようです。(福岡県・65歳)
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医師
たたら・ひろかず●医師。東京・板橋区にある医療法人社団つくしんぼ会で理事長を務め、「 患者の生活の質( QOL )を高め、生活を回復させること」を目的に、外来診療から訪問医療・介護・在宅看取りまで一貫して手がける。患者の意思に実現可能な形で寄り添い、薬物治療に依存しないのが信条。地域の医療機関として、サービス担当者を対象にした公開講座も定期的に開催。『 身近な人に介護が必要になったときの手続きのすべて』『 身近な人の介護で心がいきづまったら読む本 』( 共同監修 )、『 身近な人が脳梗塞・脳出血になったときの介護と対策 』( すべて自由国民社 )など、介護・在宅医療に関する監修書多数。
たたら・ひろかず●医師。東京・板橋区にある医療法人社団つくしんぼ会で理事長を務め、「 患者の生活の質( QOL )を高め、生活を回復させること」を目的に、外来診療から訪問医療・介護・在宅看取りまで一貫して手がける。患者の意思に実現可能な形で寄り添い、薬物治療に依存しないのが信条。地域の医療機関として、サービス担当者を対象にした公開講座も定期的に開催。『 身近な人に介護が必要になったときの手続きのすべて』『 身近な人の介護で心がいきづまったら読む本 』( 共同監修 )、『 身近な人が脳梗塞・脳出血になったときの介護と対策 』( すべて自由国民社 )など、介護・在宅医療に関する監修書多数。
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