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88歳・養老孟司先生の抗がん剤体験から考える、病院との“おもしろい”付き合い方「おもしろさが感じられなかったら、さすがに…」

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ゆうゆうtime編集部

2020年に心筋梗塞、2024年にはがん、そして2025年4月には再発がんが見つかった養老孟司先生。88歳を迎えたいま、治療を受けながら淡々と日々を重ねる姿を、教え子であり医師の中川恵一先生と共に綴った1冊が、いま注目を集めています。『病気と折り合う芸がいる』(養老孟司・中川恵一共著/エクスナレッジ刊)から、第1回は、養老先生のインタビューを一部抜粋してお届けします。

病院は仕事をするところではない

今回も抗がん剤の点滴をするため、毎回1週間ほど入院しました。前と違って痛みがないので、最初の入院(4月)ではパソコンで原稿を30枚ほど書いて編集者に送りました。

しかし、病院は本来仕事をするところではないので、仕事をしているほうがおかしなことです。編集者が締め切りを遅らせてくれればよいのですけど。

入院中はスマートウォッチをずっとつけていました。病院の備品ではなく、僕の私物ですが、これをつけているとスマホなしで電話に出ることができます。

僕がスマホにかかってきた電話になかなか出ないものだから、これをつけることになりました。これならイヤでも電話を取らないといけません。

スマートウォッチには、不整脈を見つける機能があります。僕は若いとき、心室性の不整脈がありました。脈が欠損する結滞(けったい)というやつです。今もときどき脈が一瞬止まることがありますが、スマートウォッチをしていると、それがわかってしまうのです。気にしないのが一番いいんですけどね。

毎回のことですが、病院は消灯時間が早いので、いつもより早く寝なければなりません。夜9時に消灯だから、その時間に寝ようとします。すると、午前1時か2時には目が覚めてしまうのです。

ずっとベッドの上にいるから、夜8時くらいに眠くなって、そのまま寝てしまうこともあります。するとやっぱり深夜の1時くらいには目が覚めます。

夜中に起きてもやることがないので、また寝ようとします。まるで寝る練習をしているようなものです。

横になってばかりいるから、運動が足りなくて困っています。リハビリはしていますが、散歩ができないので運動不足にはどうしてもなります。入院中も気軽に外出できるとよいのですけどね。

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