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ヤマザキマリさん「漫画だけでは子どもなんか育てていけない」10足ものわらじを履き続けるその真意

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ヤマザキマリ

何かを形にして出してみたいのであれば、手段を変えてみたらどうでしょう

昔、赤塚不二夫さんが手塚治虫さんに「どうやったら先生みたいな素晴らしい漫画を描けるようになるんですか?」と聞いたことがあるそうです。そうしたら手塚さんは、「良い小説を読み、良い音楽を聴き、良い演劇を見る。漫画から漫画を学んではいけない」というような感じで答えたそうです。至言ですね。

みなさんが何かでありたいと思ったときに、すでにそれを生業にしてる人を目標にしたり比べてみたりすると思うのですけど、それとは全然関係ない感受性を耕すことが必要だということです。

あなたに音楽家として生きていけるスキルが備わっているのであれば、あなたがたとえどんな仕事をしてみようと、どこで何をしようと、最終的には結果として実るときがきます。

ただ、その結果が音楽ではないものかもしれない。それならそれでいいじゃないですか。あまり手段にこだわりすぎてはいけない。真の表現者は、どんな手段で表そうと表現者です。

あなたは今、あなたの中にあるその出したいものを一つの手段という出力口に絞っているせいで苦しくなっている可能性もあります。何かを形にして出してみたいのであれば、手段を変えてみたらどうでしょう。文章を書く、写真を撮る、絵を描いてみる。何でもいいので自分が普段やりそうもないことをやってみるという多元性が、そのジレンマを解決してくれるカギになるかもしれません。私も結局、いまだに何足ものわらじを履き続けていますから。

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※この記事は『最後の講義 完全版 漫画家・文筆家・画家 ヤマザキマリ』ヤマザキマリ著(主婦の友社刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

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