記事ランキング マンガ 連載・特集

「60歳は新しいスタートライン」広瀬裕子さん61歳、大学と茶道で見つけた学び続ける理由

公開日

更新日

依田邦代

見えるモノより、見えない大事なことがある

稽古を始める前は「早く理想のお点前をできるようになりたい」と思っていたが、実際に始めてみると、以前習ったことで忘れていることも多く、長時間お稽古をしていると疲れるようになっていた。

「30代の頃とは明らかに違う自分を感じました。そこで考えを改め、当面は無理せず、『盆点前をできるようにする』ことを目標にしました」

盆点前とは、テーブルとイスで気軽に愉しめるお点前のこと。盆点前でおいしくお茶を点てられるようになったら、自宅に友人を招いて、お菓子とお茶を振る舞いたいと考えている。

「20年前は『畳の和室もないし、道具も揃っていないから』と、完璧でないことを理由に、人を招くことは考えられませんでしたが、今は『お茶を介していい時間がすごせれば』と考えるようになりました。大事なのは形ではなくて、その場を誰とどのように過ごすかでもあります」

すべて完璧でないと、と思っていた若い頃に比べて、大きく変化した自分を感じた広瀬さん。いい意味で肩の力が抜け、完璧でないことも許容できるようになっていた。

実は、今春から思いがけず大学に通うことになったため、お茶の稽古は1年間お休みしているという。

「両立するのは体力的に難しそうだと思ったので、学校に通う1年間はお稽古を休むことにしました」

大学の1年間の学費は約50~60万円。お茶席用に色無地の着物がほしいと思っていたところだったが、ちょうど学費と同じくらいだった。

「着物はちょっとおいといて、今年は学費に充てようと思いました」

早稲田大学LRCのことは、たまたま流れてきたインスタグラムの広告で知ったという。講義内容に興味を惹かれた広瀬さんは受験し、見事合格。「おもしろそうだから」と通い始めた。

若いときと違って、あれもこれも、と一度に欲張れない体力になっている。そんな中で、自分にとって今、何が必要かを考え、臨機応変に選択していく。そんな柔軟性が大切なのだと、広瀬さんを見ていると感じる。そこに一貫しているのは、常に新しいことを吸収して前に進もうとする「学び」への意欲だ。

▼あわせて読みたい▼

>>【エッセイスト広瀬裕子さん・61歳】120㎡から45㎡・1LDKへのダウンサイジングで、本当に必要なモノ、好きなモノだけの暮らし >>60歳を前に東京へリターン移住——不安を「課題」と受け止めて進む、エッセイスト 広瀬裕子さんの決断 >>【60歳を前に決断】香川から東京へ!ひとり暮らしを楽しむ「小さい暮らし」の秘訣【広瀬裕子さん】

撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/依田邦代

秋のお出かけにこのリュックがおすすめ!

秋のお出かけにこのリュックがおすすめ!PR

詳細はこちら
画面トップへ移動