【お酒との付き合い方】減酒で得られる14のメリット！ 健康だけでなく生活面にも
お酒は楽しいばかりではなく、飲み過ぎると体にさまざまな問題を引き起こすことがあります。体への影響を知ることは、アルコール依存を予防する第一歩。クリニックで「アルコール外来」を行っている精神科専門医の倉持穣先生に、お酒の体への影響についてうかがいました。お酒の量が増えている人は要チェックです。
アルコール依存は全身にさまざまな問題を引き起こします
「お酒の量が増えて、アルコール依存になりそう」などと冗談めかして言っていても、それは冗談ではすまされない話かもしれません。
アルコール依存というと、すぐに浮かぶのは肝臓のことではないでしょうか？ ところが、肝臓だけではなく、全身に問題を引き起こすことがわかっています。倉持先生に詳しくうかがってみましょう。
「『アルコール依存＝飲酒コントロール障害』と理解すると、症状が分かりやすくなります。飲酒コントロール障害が「一次症状」、そこから引き起こされる問題が「二次症状」です。 どのような問題が起きるかは人によって違い、その人の特性にもよります。まずは二次症状のうち、さまざまな内科・外科疾患例の一部をあげてみましょう」
二次症状の内科・外科疾患例
◆脳
・脳萎縮脳血管障害 ・アルコール性認知症 ・てんかん発作 ・せん妄（錯乱・幻視など）
◆口腔・咽頭・喉頭
・口腔内がん ・咽頭がん ・喉頭がん
◆食道
・逆流性食道炎 ・食道がん ・食道静脈瘤破裂（吐血）
◆心臓
・高血圧症心筋症 ・虚血性心疾患 ・不整脈
◆乳房
・乳がん
◆肝臓
・脂肪肝 ・急性肝炎 ・慢性肝炎 ・肝線維症 ・肝硬変 ・肝がん
◆胃
・胃潰瘍 ・十二指腸潰瘍 ・胃炎 ・十二指腸炎
◆膵臓
・急性膵炎 ・慢性膵炎 ・膵がん
◆小腸
・吸収障害 ・下痢 ・大腸がん
◆代謝
・糖尿病 ・脂質異常症 ・高尿酸血症（痛風）
◆その他
・貧血 ・血小板低下 ・低カリウム血症
◆骨
・骨粗しょう症 ・大腿骨骨頭壊死 ・う歯（虫歯）
◆神経
・アルコール性末梢神経障害
生活に支障をきたす問題も！
体の問題ばかりか、生活面でも多くの問題をかかえることがあります。まさか自分がと思うかもしれませんが、その可能性はだれにでもあります。
「アルコール依存が進行するにつれて、次第に大量飲酒・連続飲酒によるさまざまな問題 が現われます。ここまでくると、もはやアルコール依存の範囲を超えて『アルコール依存症』です。仕事、家族、健康、社会的信用を失い、人生をお酒に乗っ取られている状態です」
二次症状のそのほかの問題例
◆さまざまな精神科疾患
・うつ病／躁うつ病 合併 ・不安障害 合併 ・パニック障害 合併 ・認知症
◆さまざまな仕事上の問題
・遅刻／欠勤 ・仕事中の酒臭 ・作業能力の低下 ・ミスの多発 ・病欠／休業 ・退職
◆さまざまな経済的問題
・ギャンブル依存症 合併 ・買い物依存症 合併 ・借金
◆さまざまな行動上の問題
・摂食障害 合併（拒食・過食・嘔吐など） ・セックス依存症 合併
◆さまざまな家庭内問題
・家庭内暴力／暴言（DV） ・家庭崩壊 ・別居／離婚 ・児童虐待／ネグレクト
◆さまざまな社会的問題
・ブラックアウト ・酒乱 ・酩酊中のケンカ ・社会的暴力 ・性犯罪 ・飲酒運転
