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樺沢紫苑さんに聞く、ひとりでも機嫌よく暮らすための朝ルーティンとは?

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ゆうゆう編集部

「ひとりだと気楽!」な半面、ひとりでいると急に不安やさみしさを感じたり、悩みが大きくなったりすることも。心身の不調を予防・改善し、ひとりでも機嫌よく暮らしていくための方策があったら試してみたいと思いませんか? 今すぐ始められる生活習慣などについて、精神科医の樺沢紫苑さんに伺いました。「朝散歩と運動」をめぐるお話です。

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心身の健康は正しい生活習慣から

マチュア世代のひとり暮らしは、気兼ねなくのびのび過ごせる一方で、不安やさみしさが募ることも。精神科医の樺沢紫苑さんは、「50代以上の女性はメンタルの調子を崩しやすい傾向があります。更年期障害など女性特有の心身の不調や、子どもの自立などで目標を喪失する“空の巣症候群” が主な原因です」 と指摘する。

「不調を回避して機嫌よく日々を過ごすためには、まず生活習慣を整えることが大切。毎日 7時間以上の十分な睡眠をとって、適度な運動をし、バランスのよい食生活を送りましょう。趣味や気の合う友人などを通じて、人とのつながりを積極的にもつことも重要です」

健康と病気の間にある軽い不調の状態を「未病」というが、規則正しい生活により改善も可能だ。

「加齢による老化は確実に訪れますが、若い頃のように無理をせず、“整える”という意識をもって日々を過ごしましょう。特に運動と睡眠に気を配ると、体を健康な状態に保つ成長ホルモンが分泌されて、若々しさを保つことができます」

では、樺沢さんのアドバイスをもとに「機嫌よく暮らすための生活習慣の改善法」を紹介しましょう。

朝起きたら、カーテンを開け、 雨の日でも外光を浴びる

起床後はまずカーテンを開けて、朝の光で体を目覚めさせよう。就寝時にカーテンを開けたまま眠れば、夜明けとともに自然と日光を部屋の中に取り込むことができる。

散歩する暇がないときや天気が悪いときは、窓を開けて空を見ながら1分くらい深呼吸するだけでも、「体内時計のリセット」「セロトニンの活性化」の効果が得られる。

心身の不調で歩くのがつらい人でも気負わず、ベランダや庭に出て日なたぼっこするところから始めよう。ハードルを下げて習慣化することが大切だ。

樺沢さんの「機嫌よく暮らす」1日のスケジュール

朝は日光とシャワー、散歩で交感神経にスイッチを入れ、目覚めはすっきりと。仕事は17時までに終えるようにして日課のジムへ。夜は休息して副交感神経のスイッチを入れ、リラックスして心地よい眠りにつくのが樺沢流の一日の過ごし方。

起床後、1時間以内の朝散歩で体内時計をリセット

自律神経を整えるには、朝と夜のメリハリをつけることが大切。そのために習慣づけたいのが朝散歩。太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、覚醒や意欲につながる脳内物質・セロトニンが活性化して「頑張るぞ」と気持ちが切り替わる。

太陽の光を浴びて15~16時間後に眠気が出てくるので、7時に朝散歩をすると22~23時には眠くなり、規則正しい睡眠につながる。さらにセロトニンには食欲抑制効果があり、ダイエットにも最適だ。

朝散歩の効果を最大化するには、朝起きてから1時間以内にすること。それ以上時間を空けると、体が朝か昼かを認識できず体内時計がずれてしまう。朝散歩は、疲れすぎると逆効果なので、15分程度を目安にしよう。

【NG習慣】運動をしたいけれど、苦手だし時間もない……

「家事」も運動のうち。日々の生活のすきま時間を活用しましょう。

「運動が苦手だからジムに行きづらい」「まとまった時間がつくれないから運動できない」と思い込んでいませんか。日々の生活の中でも、すきま時間で十分効果的な運動ができます。買い物に出かけるとき速足で歩いたり、エスカレーターではなく階段を使ったり。家の掃除や、部屋の片づけなども立派な運動です。これらの積み重ねで、死亡率が30%も減少するとされる一日の運動量 (10分)を楽に確保できます。

すきま時間でできる運動例

・出かけるときは「速足」で歩く
・エスカレーターより階段を使い、できれば速足で上る
・椅子から立ち上がったときに、スクワットをする
・家から5~10分離れた場所で外食をする
・掃除機をかけたり、窓ふきをしたりして体を動かす

監修者
樺沢紫苑

精神科医

樺沢紫苑

かばさわ・しおん●精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒業。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京に樺沢心理 学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTubeやメールマガジンなどで累計80万人のフォロワーに情報を発信している。著書に『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)など。

かばさわ・しおん●精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒業。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京に樺沢心理 学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTubeやメールマガジンなどで累計80万人のフォロワーに情報を発信している。著書に『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
▼※2023年3月15日に配信した記事を再編集しています。▼

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