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介護サービスを頼りたいけど「親がヘルパーを嫌がる」場合はどうする? ひとりで抱え込まない介護のためのお悩みQ&A

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ゆうゆう編集部

Q3 介護施設に預けることへのためらい

Q 大好きな父が認知症になり、働きながら介護を続けてきました。でも私の心と体が限界になって。かかりつけ医の前で泣いてしまったことを機に、グループホームへの入居が決まりました。「私がもう少し頑張れば」「父に寂しい思いをさせているのでは」と気がかりで……。
●相談者:ミィさん 青森県・58歳(パート) 
88歳の父(要介護4)はグループホームに入居

オンリーワンの介護経験を 社会に生かすことを考えて

お父さまのことばかりを考えてしまうのは愛情があるからこそ。「私がもっと頑張れば」と自分を責めることで、落ち込んでしまいます。その結果、うつ状態になる人もいます。けれど、自分を責める必要はありません。「もう少し頑張っていれば」「あのとき、ああすれば」……。それは頑張った人ほど抱きやすい感情なんです。つまり、後悔や罪悪感は自分が頑張った証拠。まずは、そんな自分をほめてあげましょう。

そして介護体験をマイナスではなく、プラスにもっていく。介護はそれぞれで、誰にとってもオンリーワンの体験です。その経験を力に介護職に就いた人もいますし、ボランティアを始めた人も。ミィさんも介護体験を社会に生かす方向に意識を変えてみませんか。そうすることで自分の気持ちも少しずつ前向きに変わっていくと思います。

Q4 仕事との両立に不安が……

Q フルタイムで働きながら母を介護中です。母の介護度が上がり、手がかかるようになってきました。自分の将来や母の介護費用のことも考えると、仕事は続けたいのですが、介護と両立できるか自信がありません。
●相談者:つむちゃんさん 神奈川県・56歳(会社員)
80歳の母(要介護2)と同居

熟慮した結果なら、自分の選択を肯定できるはず

離職するか、介護と仕事を両立させるか、一時の感情で方向性を決めると、後々になって後悔するかもしれません。

「自分はどうしたいか」ととことん考えることが大事です。考えて結論を出すためには情報を集めることが必須。介護保険制度による介護サービスの中には、ヘルパーが巡回してくれるサービスなどもあります。介護のための支援制度を設けている企業もあります。

親の介護を経験した全国の40歳以上の男女のうち、親の介護開始時に正社員だった人を対象とした調査では、介護に専念することを選んだ人でも、就労を継続することを選んだ人でも、自分の選択を肯定する人の割合はほとんど変わらないという結果もあります。

私自身も介護で休職した時期がありますが、後悔はしていません。

プロフィール
小山朝子
こやま・あさこ●介護ジャーナリスト、介護福祉士。20代から9年8カ月にわたり祖母を在宅で介護。20年以上にわたり、介護に関する講演や執筆活動を展開し、介護ジャーナリストの草分け的存在に。テレビ・ラジオのコメンテーター、「All About」ガイドとしても活動中。日本在宅ホスピス協会役員なども務める。著書に『介護というお仕事』(講談社)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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