義姉が介護してくれているのですが、父への接し方にモヤモヤします。坂東眞理子さんのすっきり人生相談
仕事、健康、人間関係、親の介護、老後のお金……50代からの人生には不安や迷いがいっぱい。そんな私たちに「ウィメン・ビー・アンビシャス。自分で自分の人生に責任と覚悟をもって生きていこう」とエールを送ってくれる坂東眞理子さんが、皆さんのお悩みを解決します。
プロフィール
坂東眞理子
ばんどう・まりこ●1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。埼玉県副知事、オーストラリア・ブリスベン総領事、内閣府初代男女共同参画局長などを務め、退官。現在、昭和女子大学総長。『女性の品格』『70歳のたしなみ』『幸せな人生のつくり方』など著書多数。
相談 ①
義姉との関係が難しい
実家の兄夫婦、特に義姉との関係が悩みです。兄夫婦は両親と同居しているため介護はすべて任せています。私は遠方に嫁いだのでできることも少なく口出しせずにいますが、義姉の父への接し方を見てモヤモヤがぬぐえません。兄は「おまえは介護の現実をわかっていない」と言います。義姉とはどうつき合ったらいいですか。(60歳・パートタイム)
お父さまには直接電話やLINEを。兄夫婦には感謝を伝えて
義姉の負担を軽減して
「義姉の父への接し方を見てモヤモヤがぬぐえません」だなんて、お兄さんがおっしゃるとおり、相談者は介護の現実がわかっていらっしゃらないと思います。厳しい言い方をすれば典型的な小姑。長男が家を継ぎ、お嫁さんが義理の親の介護をするのが当然という古い時代のアンコンシャスバイアス(=無意識の偏見)から抜け出していないと言わざるをえません。
戦後の民法改正で家制度が廃止されて久しいにもかかわらず、お義姉さんは義父母と同居し、今も義父の介護をしてくれているわけですよね。もうそれだけで御の字ではありませんか。むしろ兄夫婦に「いつもありがとうございます」と平身低頭で感謝し、「私は何もできなくてごめんなさい」と自分の至らなさを反省してください。
相談者がやるべきことは、お義姉さんのやり方に文句を言うことではなく、お義姉さんの負担を少しでも軽くすること。たとえば、お父さまの好きなお総菜を宅配便で送る、お掃除サービスのギフト券を贈るなどできるだけサポートしてあげてください。お義姉さんとのつき合い方が難しいと感じているのであれば、実家に行く回数を少なくしてはどうでしょうか。その代わり、お父さまとは電話やLINEなどでマメに会話して、サポートしてあげてください。