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ドイツの誇る筆記具 水性顔料ブラッシュペン2種で、いろいろ彩る

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小日向 京

ドイツの誇る筆記具 水性顔料ブラッシュペン2種で、いろいろ彩る

ピグメントブラッシュペン(上)とピットアーティストペン ブラッシュ(下)

子どものころ、お気に入りの消しゴムやをえんぴつを、かわいい筆箱に入れて持っていたマチュア世代のみなさんも多いことでしょう。文字と文房具に並々ならぬ関心と愛情をもつ、文具ライターの小日向 京さんに、重ね塗り幅広い濃淡が楽しめる水性顔料ペンを紹介いただきました。

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今回紹介したいものは、筆状チップの顔料カラーペンです。

芯先にチップが付いていて、カラーインクが出てくるいわゆる「マーカーペン」は多種多彩。文具売場に数々ある中から目当てのものを選ぶのにはまず、インクが「油性」か「水性」か……というところから始まるのではないでしょうか。

そしてそののち「水性」と決めたとしても、選択肢はまだまだたくさんあります。

水性マーカーペンのインクには「水性染料」と「水性顔料」があり、
水性染料:乾いても水に溶ける、インクが紙に染み込む
水性顔料:乾くと水に溶けない、インクが紙の上にのる
という大きな違いがあります。

今回紹介するペンは、この後者の「水性顔料」で、

《1》ステッドラー ピグメントブラッシュペン
《2》ファーバーカステル ピットアーティストペン ブラッシュ

の2種です。

ともにドイツの誇る筆記具メーカー。なぜ一緒に紹介するのかというと、特徴が共通する製品であり、併せて使うとより楽しいからです。
以下、ステッドラーは《1》、ファーバーカステルは《2》と記すことにします。

重ね塗りで濃くなる

《1》《2》ともに、重ね塗りするごとに色が濃くなります。水性染料インクや色鉛筆などでもこれは同じことではありますが、水性顔料インクの場合は紙の繊維がこそげ落ちてボソボソしてくるということがありません。ゆえに、重ね塗りで幅広い濃淡を出すことができるのです。

混色については、色と色を溶けあわせるのではなく、重ねることによって表現されます。色の付いた透明なフィルムを重ね合わせると、重なった部分は別の色になります。水性顔料インクでは、そのイメージで色が作られていきます。

まずは色見本を作成

《1》は36色、《2》は60色のラインナップがあります。上の写真では、色数の多い《2》を家の形に並べて描き、屋根の部分で筆を寝かせて重ね塗りの濃淡を出しました。

そして、《1》を紙の一番下に棒線で塗り、《2》の色に近いものを家の左に雲のような形で書き添えました。

これらを見て気付かされることは、「似通ってはいるが、完全に同じ色はない」という点です。つまり、前向きにとらえると《1》と《2》を揃えることによって「合計96色」になるといっても良い! これが、2つの製品を同時に扱いたい理由のひとつです。

たとえばトマトの赤を塗りたい時に、《2》では単色の中でふさわしい赤に迷いますが、《1》の2番・レッドで解決。いろいろ塗っていくにつれて、「あの色はステッドラーのほうにあるな」「このニュアンスはファーバーカステルのほうで」と、目星がついてきます。

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