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【初めてのNISA】60代・70代それぞれ投資に回せる金額の目安は? 商品の選び方は?[後編]

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ゆうゆう編集部

投資で出た利益が非課税になる、「NISA」の人気が上昇中です。気になりながらも、まだNISAを始めていない人に向けて、井戸美枝さんがアドバイス。

↓↓前編はこちら。【初めてのNISA】60歳からでも遅くない! リスクを減らして上手にお金を増やす方法とは?

お話を伺ったのは
井戸美枝さん

いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士として相談業務、執筆活動を行い、お金に関わる動きをわかりやすく解説。
2022年、老後を見据えて広い一軒家からコンパクトなマンションに転居した。
『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など、著書多数。

Q 投資に回せる金額の目安はどう確認したらいい?

A 「老後資金」から「必要なお金」を引いて計算しよう

投資期間10年として、まず、その間に必要なお金を計算します(下の計算式)。

たとえば、今65歳で年金収入が年264万円なら、75歳までの収入合計は2640万円。一方、年間支出が生活費300万円、特別支出50万円なら10年で3500万円。それに10年でのイベント予定費100万円と医療介護費830万円を加えると、計4430万円。老後資金が2500万円なら、投資に回せるお金は710万円です。

計算して額が少ないと感じたら、家計を見直して赤字を減らす、65歳以降も働いて収入を増やす、収入がある間は年金を繰り下げるなど、さまざまな手段を考えましょう。老後資金そのものを増やすことにもつながります。

投資できる金額を確認するには……

「75歳以降は、運用している投資信託を必要に応じて取り崩しながら、残りはそのまま投資していきましょう。 長く投資するほどリスクが減って、増える可能性が高くなります」

Q NISAの口座はどこで開いたらいい?

A 証券会社と銀行で開くことができます

NISA口座が開けるのは、証券会社と銀行です。扱う投資信託の種類が金融機関により異なるので、自分の投資したい商品があるところを選びましょう。ただし、銀行で株は扱っていないため、今後株などにも投資したいなら、証券会社を選びます。証券会社で品ぞろえが豊富なのは、店頭よりネット証券。店頭では商品説明を受けられますが、方針を決めないまま相談すると、営業トークに押し切られがちなので注意を。

株などに投資しないなら、自分のメインバンクで開くのも手。あちこちに口座が散らばらずにすみ、管理が簡単です。手数料も証券会社と変わらないので、扱っている商品からいいと思うものを選ぶといいでしょう。

NISA口座は、1人1口座しかつくれません。年に一度変更できますが、引き継ぎに手間がかかるので、最初にしっかり考えて選択を。

投資信託の基礎知識

「投資信託」とは、投資したい人たちから資金を集め、投信のプロが投資・運用をして、収益を分配する金融商品。投資先は世界中の株や債券など多岐にわたり、どこかの株価の暴落やどこかの国の市況悪化があっても、他の株価や市場にてカバーする形で、リスク軽減を図っている。

「なかでもNISAで利用できる投資信託は、長期運用に適していて手数料が一定以下など、金融庁が定めた基準を満たしたもの。初心者でも選択しやすくなっています」

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