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担当編集者が語る「芸風とは違う夫婦の素顔」とは?宮川大助・花子さん著書『なにわ介護男子』制作秘話

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ゆうゆう編集部

スタッフや芸能仲間も携わった装丁

本書をご覧いただくと、本文ページには楽しいイラストが入っている。これはマネージャーの方の発案だ。
文章だけでは深刻になりすぎてしまうので、ユーモラスに伝えるためのアイディアとしてありがたく頂戴した。
イラストを描いたすぎやまえみこさんにも大助さん・花子さんに会っていただいた。

そしてカバーのイラストは花子さんの手によるものだ。
もともと絵はとてもお上手だが、はしや編み棒も持てないような時期があり、以前のようには手に力が入らない状態の中、時間をかけて描きあげてくださった。タイトルの右上にある、大根を持った大助さんのイラストが一番お好きだそうだ。

帯は同じ多発性骨髄腫である俳優・佐野史郎さん。
花子さんのリクエストで帯のメッセージをお願いしたところ、快諾していただいた。
そのお返事を伝えた日は体調が悪く、ベッドに横になっておられたが、とても喜んでくださったことをよく覚えている。

大助さんは日頃の介護ぶりが想像できる、胸元に「なにわ介護男子」の刺繍入りエプロン姿で登場。時折涙ぐむ場面も。

芸風とは違う夫婦の素顔とは?

大助さんは74歳。脊柱管狭窄症でボルトが2本入っていて腰が悪いが、花子さんのベッド脇のフローリングに布団を敷いて、何かあったらすぐ対応できるように24時間体制。摘便やバルーンカテーテルなど、そこまでするのかという介護までされている。
点眼も全く目薬がこぼれず、とてもお上手だ。とてもまじめな方で自分が病気を代わってやれたらといつもおっしゃっている。

花子さんは8月に古希の70歳を迎える。
夫婦漫才ではボケで笑いを誘うが、繊細で気遣いの方だ。
関わるスタッフ、SNSでつながっている方々がみんなファンになってしまうのがよくわかる。
この書籍では介護する側と介護される側の気持ちも率直につづっているので芸風とは違う素顔を見せている。

本当はすごく大変。でもそう見せない「お二人の明るさ」

この書籍は悲壮な介護&闘病記録ではない。
本当は大変なことばかりおこっているのだけれど、お二人がその大変さをいつも笑いに変えてしまうからだ。
打ち合わせは夫婦漫才の介護&闘病編を大相撲の砂かぶりの席で毎回見せていただいているようなものだった。
根底にあるのはお互いへの深い愛情と尊敬の念。
素晴らしいご夫婦とめぐりあえたのは私自身の喜びでもある。家庭でも舞台でも、これからのお二人を応援していきたいと思う。

(担当編集 主婦の友社 石井美奈子)

『なにわ介護男子』

主婦の友社刊

著者プロフィール
宮川大助・花子(みやがわだいすけ・はなこ)
夫婦漫才の第一人者。大助は1949年10月3日、鳥取県生まれ。会社員を経て、浪曲漫才の宮川左近に弟子入り。ガードマンの仕事をしながら100本の漫才台本を書く。漫才ではネタ作りとツッコミ担当。花子は54年8月28日、大阪府生まれ。大阪府警に入庁後、チャンバラトリオに弟子入り。76年に結婚、79年にコンビ結成。87年上方漫才大賞の大賞受賞。2011年文化庁芸術選奨 文部科学大臣賞 大衆芸能部門、17年紫綬褒章。19年12月、花子が自らのがんを公表。2023年5月に大阪・なんばグランド花月に復帰。徐々にステージやテレビ、ラジオ出演を増やしている。著書に『あわてず、あせらず、あきらめず』(主婦の友社)ほか。

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