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研ナオコさん・71歳「孤独を感じるなら、愛されることを求める前に愛してみること、そしていつも笑うこと」

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ゆうゆう編集部

孤独なんて全く縁がないような、いつも明るい雰囲気に包まれている人がいます。研ナオコさんもそのひとり。どうしたら、そんなふうに生きられるのか、研さんはどんなことを大事に人間関係を築いているのか、その秘訣を教えてもらいました。

PROFILE
研ナオコさん・歌手、タレント、女優

けん・なおこ●1953年静岡県生まれ。
71年「大都会のやさぐれ女」で歌手デビュー。
76年「あばよ」で日本歌謡大賞放送音楽賞、日本レコード大賞歌唱賞受賞。他にも「愚図」「LA-LA-LA」「かもめはかもめ」「夏をあきらめて」などヒット曲多数。
女優、タレントとしてもドラマ、バラエティ番組、CMなどマルチに活躍。
著書に『70歳、すっぴん人生』(Gakken)がある。

『中島みゆき作品BESTアナログ』
ポニーキャニオン
LP レコード2枚組 6820円

歌手・研ナオコと作家・中島みゆきが生み出した名曲から、初レコード化となる「糸」など、提供作&カバー計24曲をアナログレコード2枚に収録。究極のアナログベスト(LPレコードのみでのリリース)。

年齢、経歴の差を超えた 壁のないつき合いを大事に

歌手として、タレントとして、女優として、あらゆる場面で多彩な魅力を発揮し続けている研ナオコさん。2020年でデビュー50周年を迎えた「大御所」でありながら、その活躍ぶりには気負ったところがまるでない。どの番組でも周りには笑いがあり、和やかな雰囲気があり、若い人たちにとても慕われている様子が伝わってくる。交友関係も広く、さまざまなジャンルの人たちと非常に良好な関係を築いているように見えるが、どうしたらそんな振る舞いができるのだろうか。

「交友関係はそんなに広くはないんですけど、ひとつ私が心がけていることがあるとしたら、どの場面でも先輩・後輩というものを全く意識しないということなんですよ。私が何年この世界で仕事をしているだとか、後輩が何年目だとか、そういうことを一切考えない。食事に行ったりしても、『先輩・後輩の壁は取っ払ってお話ししようね。じゃないと話にならないからね』ということは常に言っていますね。それはいつも気をつけていることです」

少し年を重ねると、若い人のあれこれが目についたり、おせっかいと思いつつも小言めいた発言が増えたり……というのが人間というもの。しかし研さんの場合は、「こっちが長いことこの仕事をやっているというだけで向こうは構えちゃうでしょ。でも同じ番組に出ちゃったらそんなの関係ないんですよね」と、とても軽やかに微笑む。

「だって、みんな笑っていたほうがいいじゃないですか。私はお仕事でも、目指すところはそこだけです。歌もコントもバラエティも表現の方法が変わるだけで、力の出し方はいつも同じ100%。皆さんに喜んでもらいたいという気持ちだけです。それはプライベートでも一緒。だからよく笑いますよ、外でも家でもね」

そんなふうに構えず、飾らず、自分をさらけ出して人とつき合うことができたらどんなにいいだろう。しかし、ちょっと自分を大きく見せようとしてみたり、大して好きではないものを好きと言って相手に合わせたり……。日々の暮らしの中で、嫌われる怖さ、ひとりになる寂しさというものから何とかわが身を守ろうとしてしまうもの。「でも、そんなの気にしていたら生きていけないでしょう」と研さんは言う。

「人に合わせるって無理していることだと思うので、早晩限界が来ると思うんですよね。それが今度はストレスに変わっちゃうので、やめたほうがいいと思う。私だって自分の生き方に自信はないですよ。でもこういう生き方しかできませんっていうことを言っているだけなんです。私はこういう洋服を着たいし、こうやって歌いたいし、こうやって生きていきたい。それを飾る必要はないでしょう」

友人は2、3人いれば十分

聞けばデビュー当時から今に至るまで、研さんはメイクも衣装選びも自身で行ってきたのだという。最初は事務所の社長から言われてのことだったが、そのうちに「自分を一番知っているのは自分」ということに気づき、衣装についても、自身の体型を最も美しく見せるラインにこだわってドレスのデザインをお願いしてきた。そういう自分の生き方をわかってくれる人が数人いればいい。このままの自分でいいと受け入れてくれる人こそが真の友達だ。

「本当の友達って何年連絡とらなくても、いつも同じように接してくれる人、『変わらないねぇ』って会話できる人だと思うんです。数じゃない。2、3人いれば十分だと思います。最近はSNSで承認されないと不安という人もいるみたいですが、そんなことにとらわれていちゃダメですよ」

デビュー当時からメイクは自己流で

ここぞというときはきちんとメイクする。大事なときに手早くできてきれいに見せるポイントは、アイメイク。これさえ手を抜かずにきっちりやれば「失礼のない」メイクが完成。

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