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【中学・高校受験】躍進の理由は「英語が9割」田舎の無名高校が30年でトップレベルになった最大の理由は?

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ゆうゆうtime編集部

さらに多様化した英語教育

学校をつくるときに私が絶対条件とした「英語教育」、そして「国際教育」も、ますます充実させていきました。

これまで、多くの学校関係者、マスコミから「西大和学園が飛躍した最大の理由は?」という質問を受けました。その答えは、ここまで述べてきたように、ひとつではありません。多くの熱心な教師とそれに応えてくれた生徒たちの結集による成果です。ですが、あえてひとつ挙げるとしたら
「英語が9割」
という答えがふさわしいかもしれません。

大学受験の観点で考えても、英語教育に注力することには大きな意味があります。

英語は受験で裏切りません。大コケが少ない教科です。100点満点で70点取れる実力がある生徒が60点以下になることはまずない。つまり、計算できる科目です。その意味で、受験において英語で取りこぼさないことは大事なのです。

また、2010年前後からは東大入試の英作文にも論理的思考や批判的思考を問う出題が出てくるなど、英語を「教科」ではなく、日常で使う「道具」として習得する必要性がますます高まってきました。それに、将来世界で活躍できるリーダーを育成するという私たち西大和学園の目標を鑑みても、英語を“標準装備”するための授業にしなければなりません。

そのためには、「英語のシャワーを浴びせる」ではありませんが、英語に触れる機会をいかに増やすかが焦点になります。

そこで、中学1、2年生では100万語読破を目指して、図書室にある6000冊以上の洋書を多読する時間を設けました。

強制されない自由な読書体験にプラスして、大学生や英語の先生とつながるオンライン英会話、体育や音楽をネイティブ教員により英語で行うイマージョン授業、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学の学生たちとホームステイやディスカッションなどで交流するグローバル・イングリッシュ・キャンプなど、ハードルを少しずつ上げていくカリキュラムを加えていきました。

2014年には文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」として指定されました。

「地球規模の課題に挑戦するグローバル・ビジネスリーダーの育成」を目的としたSGHに指定されたことにより、東京大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、JICA、ユネスコといった大学や国際機関と連携しながら、新しい教育プログラムを組むことができました。また、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)と合わせて文系・理系のバランスが取れた、高い教育力を発揮していくことができました。

写真はイメージです

※この記事は『なぜ田舎の無名高校が東大、京大合格トップ進学校になれたのか 西大和学園の躍進』田野瀬良太郎 著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

▼2、3回目記事はこちら▼

【中学・高校受験】突然の進学校への路線変更、職員と生徒のパニックの先にあるものとは? 【中学・高校受験】偏差値50前後の高校から東大合格者が誕生。西大和学園がトップ進学校になるまでの道のりとは?
監修者

学校法人西大和学園会長

田野瀬良太郎

たのせ・りょうたろう●昭和18年10月31日生まれ。奈良県五條市出身。名古屋工業大学卒。大学時代に1年間アルバイトをしながら、ロシアからヨーロッパ、中近東、東南アジアなど33か国を歴訪。これを機に政治の道を志し、昭和48年五條市議会議員初当選。その後、奈良県議会議員、衆議院議員に当選し、自治政務次官、財務副大臣、自民党文部科学部会長、自民党三役・総務会長(第48代)を務める。議員活動を始めてまもなく、教育は政治上の最重要課題であると痛感し、実践として昭和56年になかよし保育園を開園。その後、西大和学園高等学校・中学校、西大和学園カリフォルニア校、白鳳女子短期大学を設立し、平成26年4月に大和大学を開学し、学長に就任。学校法人西大和学園会長。

たのせ・りょうたろう●昭和18年10月31日生まれ。奈良県五條市出身。名古屋工業大学卒。大学時代に1年間アルバイトをしながら、ロシアからヨーロッパ、中近東、東南アジアなど33か国を歴訪。これを機に政治の道を志し、昭和48年五條市議会議員初当選。その後、奈良県議会議員、衆議院議員に当選し、自治政務次官、財務副大臣、自民党文部科学部会長、自民党三役・総務会長(第48代)を務める。議員活動を始めてまもなく、教育は政治上の最重要課題であると痛感し、実践として昭和56年になかよし保育園を開園。その後、西大和学園高等学校・中学校、西大和学園カリフォルニア校、白鳳女子短期大学を設立し、平成26年4月に大和大学を開学し、学長に就任。学校法人西大和学園会長。

なぜ田舎の無名高校が東大、京大合格トップ進学校になれたのか 西大和学園の躍進

田野瀬良太郎 著
主婦の友社刊 1760円

奈良県にある私立中高一貫校である西大和学園。今や、東大、京大合格者数で全国トップレベルの進学校であるが、わずか30年前までは無名私立高校だった。西大和学園はいかにして共学トップ進学校になったのか?今、西大和学園が求める次世代のエリートとは?伝統校との違いは?創設者であり、学園の会長である著者がこれまでの西大和学園の歩みのすべてを語る。

※本書は2015年刊行『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話』に加筆、修正を加え再構成したものです。

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