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文具ライターが魅せられた「カラフルな硬筆ペンで書く」幸せ【ぺんてる 筆touchサインペン】

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小日向 京

子どものころ、お気に入りの消しゴムやをえんぴつを、かわいい筆箱に入れて持っていた、ゆうゆう世代のみなさんも多いことでしょう。文字と文房具に並々ならぬ関心と愛情をもつ、文具ライターの小日向 京さんに、ぺんてるサインペンの筆文字タイプ「筆touchサインペン」を紹介いただきます。

【小日向京さん 連載一覧】
小日向 京の「文房具の話」

ぺんてるが1963年から発売するロングセラー「サインペン」。
こちらと同じデザインで多彩な色ラインナップが揃う「筆touch(タッチ)サインペン」を今回の話題にします。

筆touchサインペンはそもそも、筆ペン売場にある「筆文字サインペン」に端を発していました。サインペンの芯先が硬筆になったもので、筆の穂先ほど軟らかすぎずにしなり、「とめ・はね・はらい」を表すことのできるチップです。

ラメの入った軸も素敵。この筆文字サインペンにカラーバリエーションが増えてくれたなら……と思っていたところ、「筆touchサインペン」の商品名で登場したのが2011年のことでした。
以降色数を増やし、現在36色を数えています。

筆文字サインペンの当時には毛筆系のインク色しかなかったことから、使用場面は金封の表書きか郵便物の宛名書きかというものだったところ、筆touchサインペンになったとたんにユーザーの感性に着火。コラージュの飾り線やメッセージカードの装飾として使われるようになり、現在ではカリグラフィーツールとして世界中で愛されています。

サインペン(左2本)と筆touchサインペン(右2本)

ボディデザインはサインペンとまったく同じで、統一感があります。
握り心地良く、線を引きやすい軸が色とりどりになった様は嬉しいことこのうえなし。

よく見ると丸軸ではなく、ゆるやかな六角軸になっていることがわかります。この角を取ってあることで握りやすく、キャップを開けた状態で机上に置いても転がりにくい利点があります。

サインペン(左)と筆touchサインペン(右)、芯先の違い

芯先は写真のように違います。このチップと、チップの周りのカバーが弾力のある書き味を生み出し、角度によって太さの変化を描いてくれるのです。

では書いた線を見てみましょう。

サインペン(左)と筆touchサインペン(右)、線の違い

左のサインペンはどの方向から書いても、線の太さはいくぶん違うか……という程度ですが(サインペンはサインペンで素晴らしい描線です)、右の筆touchサインペンは1文字のなかでもその方向や筆圧によって明らかに線の太さが異なります。これが筆touchサインペンの魅力です。

チップの周りのカバーは筆圧のかけ具合によってしなるため、紙の上で安定感があり、強弱をつけやすいのが特徴です。

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