50代のお悩み「若いときより量は食べてないのに太るのはなぜ?」内科医がアドバイス 太りにくい食べ方とは?
さまざまな不調があらわれる50代。健康に関する疑問やお悩みに医師がアドバイスします。前回は、50代以降が目安にしたいBMIと体型について、婦人科医に伺いました。今回は、内科医の石原新菜先生に、「昔ほど量は食べてないのに太る」50代以降のお悩みについて、お話を伺います。
「体重も浮き輪肉も増えました」にアドバイス
50代になったら「体重も浮き輪肉も増えました」婦人科医のアドバイス ピンチをチャンスに変える秘策とは?
医師
石原新菜
いしはら・にいな
イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。著書に『やせる、不調が消える 読む 冷えとり』(主婦の友社)など多数。
いしはら・にいな
イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。著書に『やせる、不調が消える 読む 冷えとり』(主婦の友社)など多数。
Q
更年期が過ぎてから体重がどんどん増えていきました。閉経してからプラス7キロぐらい。若いころのようにドカ食いはしていません。年をとると代謝が落ちるといわれますが、体の中で何が起きているのでしょう。
A
加齢とともに筋肉量が落ちるから、太ります。食事を少し見直して、運動を習慣にしましょう。血糖値を急激に上げない食事と、足腰を鍛えることを意識した運動が効果的です。
加齢とともに筋肉量が落ちるから、太りやすくなる
閉経して女性ホルモンが低下したことも影響しますが、加齢とともに筋肉量が落ちていくことが、体重増加の大きな一因です。筋肉量が落ちると、代謝も悪くなるので、食べる量が変わらなければ太っていきます。
「若いときほど、量は食べてはいないのに太る」と訴える人も少なくありません。でもよくよく話を聞いてみると、ちょこちょこスイーツを食べていたり、毎晩のようにお酒でカロリーをとっていたり。体重が増える理由はちゃんとあるのです。とはいえ、大幅な食事制限はつらいので、ふだんの食事を少しだけ見直せるといいですね。
たとえば甘いものが欲しくなったら、ケーキではなくぶどうやりんごなど、皮ごと食べられるフルーツに変えてみて。同じフルーツでも皮をむいて食べるより、皮ごと食べたほうが血糖値は上がりにくく、噛み応えがあるので食べすぎも防げます。
血糖値が急激にが上がるような食べ方をしない
この「血糖値が上がりにくい」というのがポイント。血糖値が急激に上がるような食べ方をすると、太りやすくなるのです。
ちなみに血糖値が上がりやすい食材はごはん、パン、麺類など。逆に肉血糖値を上げにくい食材は肉、魚などのたんぱく質や乳製品、野菜などでです。でも、ダイエットを目的とした極端な糖質制限はおすすめしません。
主食のごはんやパンを減らして、おかずばかり食べる高たんぱくに偏った食事は生活習慣病を招く心配があるのです。食事の見直しは間食を止める、食べる量をちょっと減らすなどストレスのない範囲でOKです。食事制限をがんばりすぎると、ストレスから過食に走ってしまう心配もあります。
食事の見直しはストレスなく続けられる程度にして、併せて、筋肉量を増やす運動を習慣にするとよいでしょう。運動をして筋肉量が増えれば、同じものを食べても太りにくくなりますよ。