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92歳、奇跡の現役ラガーマン。娘が明かす父がボケないたった一つの理由とは?

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ゆうゆう編集部

妻が教えてくれた3つのレシピを作り続けています

7年前に妻・恵美子さんが亡くなり、永山さんはひとり暮らしになった。若い頃から病気がちだった恵美子さんは、体にいい食事にこだわっていた。そのレシピの中で、永山さんに「たたき込んだ」料理があるそうだ。

一つ目は炊き込みご飯。「土鍋に無洗米、もち麦、乾燥しじみ、冷凍えびと冷凍枝豆を入れて炊くんです。栄養バランスがよく、おいしい。一度に2合炊いて残りは冷凍します」。2つ目は豚しゃぶサラダ。薄切り肉をゆで、手でちぎったキャベツにのせてごまドレッシングをかける。「包丁不要なので、ぼくでも簡単に作れます」。3つ目はみそ汁だ。これは長男の妻・清花さんの手作りみそを使っている。「嫁の手作りみそは、塩辛くないのに、こくがあるんですよ」。バランスよく栄養を取り入れることは、ずっと心がけている。

ひとり暮らしでも食卓は充実

妻直伝の「炊き込みご飯」と「みそ汁」を作り、近所に住む長男のお嫁さんが小分けして冷凍してくれているおかずをプラス。永山さんは、若い頃から酒もたばこも一切口にしない。


働けるうちは働きます

70歳で勤務医を引退したあとは、自宅に併設する「永山クリニック」で診療を続け、求められると他院での健康診断などのアルバイトにも90歳近くまで出向いた。

「バイト先には電車で行くので、ヤフー!の乗り換え案内なども活用しました。速足で移動すればトレーニングにもなりますし、帰りにスーパーや書店に立ち寄って、お総菜や新刊書を買うのも楽しみの一つでした」

万が一、途中で倒れたときに備えて、身元がわかるキーホルダーまでつけていたと笑う。

「周囲の人には『まだ働くのか?』と言われることもありますが、人間、頭も体も使わなくなったらおしまいです。ただ生きているだけなら、ただ衰えるだけ。働けるうちは働きます」

90歳まで医師としても活動

70歳を過ぎても「永山クリニック」院長として、ご近所の方のために診療を続けた。91歳で引退し、娘の芳子さんに引き継ぐ。

脳も体も、ボケないように 鍛えるのはひとえに「ラグビー愛」ゆえ

ところが2024年1月、新型コロナに感染し体調を崩してしまった。一時的な入院のせいで、筋力が落ちた。「リハビリのために運動したいのですが、ますますやせるので医師に止められました」と苦笑い。現在は嚥下リハビリを続けながら栄養をつけ、体力を取り戻すことに努めている。

「まずは25年4月にある80代以上のラグビーの試合『OVER80東西対抗戦』に出場できるように準備しています」

そう話す永山さんの目は真剣だ。まだあきらめない。ノーサイドの笛が鳴る、その瞬間まで。

「脳トレ」本でしっかり対策

本が大好き。ラグビー関連の書籍が多いが、その中に「脳トレ」本も。「ボケてラグビーができなくなると困りますからね」

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