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70代で老いや病気を経験…3日に1回手作りを始めた、血圧を安定させるひと皿とは?【天野惠子さんのターニングポイント#2】

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植田晴美

毎日の野菜スープで、高めだった血圧が正常値に

加熱すると野菜の細胞壁が壊れ、含まれている有効成分が煮汁に溶け出します。各野菜に含まれる抗酸化物質などの有効成分はスープにすることで、効率よく摂取できるそう。

「野菜などに含まれる抗酸化物質は免疫力を高めて、病気への抵抗力も増すのではと期待し、せっせとスープを飲み続けたところ、高めだった血圧は正常値になりました。またこのスープは調味料を使わず、野菜のコクとうまみ、甘みだけを味わうのですが、飲み続けているうちに味覚が変わったのでしょう。スープ以外の料理の味付けも薄味のほうがおいしく感じられるようになり、自然に減塩もできました」

野菜スープは毎日飲むので、ときどき牛乳を加えたり、りんごを加えて自然な甘みを出したり、鶏肉などたんぱく質を加えたりと、飽きない工夫もされているそう。

「たんぱく質は私のような高齢者にこそ、しっかり摂ってほしい栄養素なんですよ!」
と天野さんは強調します。

にんじん、キャベツ、かぼちゃ、玉ねぎなどの野菜をザクザク切る。

なべに入れて水を加えふたをして、弱火でコトコト煮るだけ。

調味料は使わない。「野菜の甘みだけを味わいます」

毎日牛乳を飲み、肉や魚、卵をしっかり。高齢者こそ、たんぱく質が必要

年をとると肉や脂っこいものを避けて、あっさりした食事を好むようになります。粗食は一見体によさそうですが、高齢者の場合は低栄養に陥りやすくなるので、要注意。高齢者こそ、肉や魚などの動物性たんぱく質をしっかり摂るべきなのです。

「私は毎日牛乳を飲んでいますし、食事では野菜スープと併せて、肉や魚、卵などの動物性たんぱく質を中心に食べるようにしています。1日1回は必ず手作りするよう心がけていますが、スーパーで売られているパック入りのお刺身は手軽にたんぱく質をとれて便利ですよ」

また高齢になって歯が悪くなった、噛む力が落ちて食べにくいからといってやわらかいもの、飲み込みやすいものばかり食べるのもNGだそう。

「飲み込む力が弱くなってしまいますし、栄養も偏ってしまいます。適度に歯ごたえのある肉、魚、野菜をきちんとかんで食べてください」

次回は、75歳から筋トレをスタートしたエピソードをご紹介します。

「今日は野菜スープにりんごを入れてみましょう」

天野惠子さんのターニングポイント②

70代で老いや病気を経験。体質改善のために始めた手づくり「野菜スープ」で、血圧が安定!

撮影/三角茉由

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