「さすが」「すごい」を口にしたら電流が流れるぐらいにしてほしい気もする【おむすび】登場回数はいったい!?
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田幸和歌子
コロナ禍にドラマは向き合うこととなる
作中の時間軸はすでに令和に突入している。前半から近所のにぎやかな存在として親しまれてきた、さくら通り商店街のテーラー・要蔵(内場勝則)が妻の介護も兼ね老人ホームへの入居を決意するというエピソードが描かれた。コンビニ弁当の開発も含め、現代の日本が抱える高齢社会を意識したものとして意義あるテーマだったと思う。これまで結たちが向き合ったテーマは、現代モノの朝ドラとして視聴者とともにそれぞれあらためて考えたり思い出したりしたいものだっただろう。
平成という時代を振り返るということも大切だ。しかし、平成7(1995)年の阪神・淡路大震災を起点に、令和までの、世間の出来事を次々詰め込むには実は要素が多すぎたのかもしれない。そのためヒロインはもちろん周囲の成長などをじっくり描くことが難しくなり、時間がすぐスキップしていつの間にか内面的にも成長させるしかなくなるためときに「雑」と評される結果となってしまったのであろうか。
そして、令和の世界を大きく変化させたコロナ禍にドラマは向き合うこととなる。医療機関につとめる結たちはどのように世界規模の困難を乗り越えていくのか(逆算的に考えると、コロナ禍を描くための病院勤務の管理栄養士という役どころとなったのだろうか)。
管理栄養士としてコロナ禍でできることとは。ここはさすがに安易に解決し、「さすが」「おかげ」での着地は避けてほしいところであるが。どうなるか見守りたい。
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