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【コッソンビ熱愛史】3人が真の意味で「大人」になっていく成長物語。いよいよ使命を果たすときが近づいた13〜15話【韓国ドラマ】

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marumi

「コッソンビ熱愛史」は3人の眉目秀麗な男子たちが織り成すラブロマンスミステリー時代劇。マチュア世代がワクワク・ドキドキ、心から楽しめるドラマです。ゆうゆうtimeでは全18話のドラマを5回に分けてレビューをお届けします。今回は13〜15話について紹介しましょう。
※ネタバレを含みます

▼前回はこちら▼

【コッソンビ熱愛史】3人それぞれが胸に秘めてきた使命が明らかに!波乱万丈の9〜12話【韓国ドラマ】

※記事内にネタバレを含みますのでご注意ください。

正体を隠して生きてきたコッソンビの素性が明らかになった。暴政をふるう王を倒し、次の王位に就く者は誰かを巡り、カン・サン(リョウン)、キム・シヨル(カン・フン)、チャン・ユハ(チャン・ゴンジュ)—— 3人の重苦しい葛藤が描かれる13~15話。ドラマは緊迫の場面連続でクライマックスへと舵を切る。

ユハはイ・ソルであるサンが現れたいま、サンが木人会を率いてこそ、命を懸けた大業を全うできる、と伝える。一方、王位継承争いで父を失った悲劇を繰り返したくない、と考えたサン。長として木人会を率いてきたユハに、ひとまずイ・ソルの名を委ねようと決意する。

志は同じ、ならば「1人より2人がいいだろう」というサンの言葉に、ユハは頷く。お互い「自分が王に」とは言わない。世間擦れしていない、若者らしい初心な優柔不断さが好ましい。

サンの考えを木人会の支援者である左議政シン・ウォノ(アン・ネサン)に伝えようと、ユハが手配した会合の場。そこに、サンの命を狙う刺客があらわれ、危険を察知した番人のシヨルが駆けつけ、さすがの刀裁きで追い払う。

ユハの裏切りを疑うサン、だが、刺客を手配したのは、妓楼「富営閣」の行首ファリョン(ハン・チェア)。ユハの実母、だった。苦労して生きてきた息子に大義を果たさせたい、と願う母心。身内、特に母親が出しゃばると、継承争いはややこしさを増す。

さらにサンを助けたシヨルも、主君イ・ソルが王位に就かない限り、番人の使命から自由になることができない。「(王を倒すなら)2人より3人です」という言葉は切実だ。自分では何も決められない、運命に身を委ねるしかない人生だったから。

木人会の前に立ち、「志が高く、心の清い君たちが出仕して、(危機に陥った)朝廷を支えてくれ」と王亡き後の朝鮮の未来を述べるユハ。その言葉に、「俺の目標は、王を倒すところにとどまっていた」と目を見開かされたサン。自分は何をすべきか? いまできることは何なのか?—— 「俺は俺の志をかなえる」と迷いを捨て、自らの手で王を討つ決意を固める。

実はサンとユハ、どちらが次の王位に就くかは、2人が心を寄せるユン・ダノ(シン・イェウン)、シヨルが恋するユン・ホンジュ(チョ・ヘジュ)の運命さえも大きく左右するものだった。

王を倒した後、ダノが身を隠すための家に案内し、必ず戻ると誓うサン。用意周到の思いやりは認めるが、討伐の前日にこの隠れ家で2人の初夜をちゃっかり過ごすとは、大胆と言うか脇が甘いと言うか……。観ているこちらは大義達成に不安がよぎる。

そんなサンに、ユハは「ダノを諦めない」と宣言する。そして、サンが王位に就き、ダノを妻として宮廷に迎えれば、新たな苦悩を背負わせる、と忠告する。勝ち目のない恋に、精いっぱいの負け惜しみにも聞こえるが、ユハのダノへの思いも一途だ。

一方、自由を得たあとは、ホンジュとともに生きることを誓ったシヨル。だが、ホンジュのかつての許婚は自らの刀で斬ったチャン判官(オ・マンソク)の息子、という苛酷な現実を知り、姿を消すと心に決める。愛する人が突然いなくなる、という悲劇に再び見舞われ、泣き崩れるホンジュの姿が哀れに過ぎる。

この恋人たちのラブシーンも切なく美しいが、背景となった韓国の自然がすばらしい。サンが武芸に励み、ダノとデートする廃墟の青々と清冽に続く竹林。ホンジュとシヨルが馬を駆って出かける水墨画のような山紫水明の川辺。映像美がドラマを盛り上げる。

サン、シヨル、ユハ—— それぞれ別のつらい境遇で育った彼らが、いよいよ1つの使命を果たすときが近づいた。

青年期真っただ中の、しかも眉目秀麗な彼らが、心も体も傷つきながら味わう底知れぬ恐怖と葛藤。未来に抱くかすかな希望。ときに身を引くことを覚え、ときに悲壮な覚悟を己に課し……。 

でも、それこそが身に着けるべき「男の美学」というもの。3人が真の意味で「大人」になっていく過程を描いた成長物語だ。だから、息子を見守る母の気持ちでドラマにはまれる。そして、王イ・チャン(ヒョヌ)に欠けているものこそ「男の美学」だ。

終盤。呑気に狩りに出かけた王イ・チャンを狙い、待ち伏せしたサンの矢が命中する。王が瀕死となったことを知った母の大妃(ナム・ギエ)は、兄弟を虐殺し、民を苦しめる息子を退け、孫のイ・ソルを新しい王に推戴する教示を書く。

いよいよ発令を待つのみ。と、そのとき王の手がわずかに動き……。まさか!何でいま?の展開に、ラスト3話が見逃せない。

▼※2023年8月5日に配信した記事を再編集しています。▼

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