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贅沢?浪費?それとも…“私の人生が楽しくなる1,000円”の使い方【中道あんさん流】

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中道あん

人生100年時代というなら、50代はまだ半ば。忙しい毎日を過ごしているみなさんは、5年後、10年後が見えていますか? わかっていることは、のんびり隠居なんて夢物語ということ。それなら不安を抱えたままにしないで、何かできることをしたい! 今回は、トップブロガー中道あんさんが見つけた、人生が楽しくなる1,000円の使い方いついて。

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お金を使うことは、単なる浪費ではなく

私がいま住んでいる最寄り駅周辺は、大手企業が並ぶちょっとしたビジネス街です。
なので、ランチタイムになるとビジネスパーソンが飲食店の表まで並んでいたりします。

はじめのうちは、その様子を遠くから眺めて「大変そうだなぁ」と思いながら、私は家に戻ってお昼ご飯を自炊していました。

私も、会社員だった頃があります。そのときは働くためにここにきているのに、ランチにお金を使うなんて勿体ないと思っていました。お弁当を作ってもっていくか、会社の仕出し弁当(マズイ)を食べるかしていました。昔の私は「お金を使うこと」に罪悪感があったのです。使わなくて済むことに使うのは贅沢である。

それに、こう言っちゃなんですが、カフェのランチ程度なら自分で作ったほうが美味しいのです。うどん屋さんに1,000円払うくらいなら自分で出汁をとった「すうどん」でさえ美味しいと思うほど。そうすると、午後からの仕事のためのランチ代にお金を使いたくないというのが本音。

ただ、引越してみて分かったのですが、クリエイティブな作業は、自宅の書斎よりも駅前のカフェの方が集中できて、作業が捗ることに気づきました。というのも、お気に入りのカフェでは、お客さんのほとんどがビジネスマン。打ち合わせしたり、資料を作ったり、考えごとをしていたりで、ビジネスの空気が漂っているからか、非常に集中できるのです。

しかも、モーニングメニューが美味しいから、ついつい食いしん坊の足が向いてしまいます。まだ3カ月も経っていませんが、カフェの店員さんには顔を覚えてもらったようで、心の通った「おはようございます」と「ありがとうございます」を伝えあえるようになっています。朝の挨拶の温かさと、自分の小さな居場所を作れたようで嬉しいものです。

1回のカフェ代は560円で週5通ったとして2800円。これを贅沢?浪費?かどうかは本人がどう感じているかで変わるでしょう。お金を払って得たのは、ほんのちょっとだけれど、誰かとのつながり。お金を使うことは、単なる浪費ではなく、その先に生まれる、あたたかな人間関係や満足感は、ちっとも無駄じゃありません。自分を整えられる環境にお金を払うのは、それから得られるパフォーマンスを考えると、むしろ投資ではないかと思うようになりました。

人生をちょっと楽しくしてくれる、大切なお金の使い方

つい先日のこと、いつも行列ができている定食屋さんの前を通ったら、たまたま空いていて、エイッと入ってみました。すると、想像していたより広い店内はビジネスパーソンで満席でした。「おぉ~めっちゃ流行っている」とテンションが上がります。一気に期待値が上がっちゃいます。そして、メニューを開く気持ちもワクワクする~と思っていたら、最近の人材不足からかQRコードを開いてメニュー画面からオーダーする方法。店員さんに「お店の一番の人気メニューはなんですか?」なんて尋ねられないところが残念ですが、その分、じっくりとスマホ画面を眺められるのもいい。

あれこれ目移りしちゃうなか、ひとり暮らしの自分が絶対作らないであろう定食を選びました。お値段1,020円!まさに1,000円ランチです。待っている間は、他のお客さんを観察して、みんな何を食べているのか様子をうかがう時間に(おひとり様は人間ウオッチングが癖になる)。さて、待つこと15分。美味しそうな『鶏と野菜の黒酢あん定食』が運ばれてきました。

メインのおかずには艶やかな照りがありボリューム満点。見た目だけでなく、手作りの味がちゃんとします。栄養のバランスもよくて、偏り気味なひとり暮らしには最適なメニュー。これが1,000円ってすごすぎる!ってひとり感動していました。とはいえ、ウィークデーにここに毎日のように通っていたら、ランチ代だけでも2万円以上の出費。近ごろの値上がり事情は、ビジネスパーソンのお財布事情も厳しいものがあるなと思いました。

さて、それから立て続けに3回ほど通いました。 私にとって1,000円ランチは、ただ美味しいだけのごはんじゃなかったのです。「これ、美味しかったよ!」と誰かに言いたくなる!ブログに書く楽しみが湧き上がってきたからです。実際に投稿してみると、「このメニューもぜひ食べて」というようなコメントをもらったり、いつもよりコメント欄が賑わいました。私は、これを“お節介の喜び”と呼んでいます(笑)。

1,000円って決して無駄にできないお金ですが「1,000円の価値」を、心の豊かさで測るようになりました。だから今日も、カフェで自分の一日をはじめます。そして、定食屋さんのメニューを全制覇しちゃおう!と目論んでいます。そんなことを考える60代はきっといないだろうから、そのこと自体が“おもしろい”ものです。たしかに、お金を使っているけれど、手に入れているのは栄養だけじゃなくて、「私の人生をちょっと楽しくしてくれる、大切なお金の使い方だ」って。

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ひょんなことから50代にひとり旅を経験した著者。経験してみたらものすごく楽しかった!そこから国内ひとり旅に目覚め、今回とうとう海外ひとり旅にもチャレンジ。しかも、目的地はずっとあこがれだったパリ!ただし、国内は旅慣れてきたとはいえ、純粋な海外ひとり旅は初めて。ホテルはどうする?言葉は大丈夫?ぼったくられたりしない??ドギマギしながら準備をし、いざパリへ!!60才を迎えた著者の初めて体験を通じて、読者もパリをひとり旅している気分になれる1冊。

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