何度も倒れて救急車で運ばれて…「フィンガー5」が一世を風靡した舞台裏は?【晃さんのターニングポイント#3】
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植田晴美
「フィンガー5」のあの大ヒット曲、今でもふと口ずさんでいませんか? 70年代に日本中を熱狂させたスーパーアイドル、フィンガー5。夢中になったあの頃を思い出しますね——。時を経て、メインボーカル 晃(あきら)さんに、当時の熱狂、家族グループとしての葛藤、そして現在の音楽活動までを語っていただきました。第3回は、大旋風を巻き起こしたフィンガー5の舞台裏……。
▼前回はこちら▼
>>フィンガー5の名曲『個人授業』の誕生秘話「コイツ見た目が生意気そう…!?」【晃さんのターニングポイント#2】きちんと叱ってくれる兄。当時は反発したけれど、今は感謝
——前回、お父様が厳しい方だったというお話をうかがいました。
うちのおやじは空手家で、芸能界はハナからいい加減な世界だと思っているような人。だからフィンガー5として曲がヒットしても、まったくおやじ自身は変わらないし、「おまえらなんかただのガキだ」「おまえらが稼いだお金なんかアテにしない」というタイプ。おふくろは歌が大好きだから、応援してくれていましたけどね。
——きょうだいでグループを組んで、応援してくれる母親がいて、厳しい父親がいてと理想的なご家族じゃないですか?
うん、すごくいい環境でしたね。うちでは何かを決めるときって必ず家族会議があって、「どうする?」「やる? やらない?」って多数決になるんです。そうするとだいたい子どもたちの意見が通る。いくら親二人ががんばっても、子どものほうが人数多いからね。
——きょうだいゲンカなどはしなかったんですか?
しましたよ。きょうだいといっても、長男とは年もはなれているから、コワイコワイ!こっちはちゃんとやってるつもりなのに、なんで怒られるんだろうって思うことばっかり。
昔の芸能界は礼儀にうるさかったけれど、兄貴も礼儀にはとくにうるさかったですね。どんなに有名な人、大御所の歌手や素晴らしい司会者の人たちと一緒に仕事をしていても当時のボクにとっては、みんなよくわからないおじさんたち。まあ、ふつうそうですよね、こっちは小学生の子どもなんだから。
でも兄貴はボクが仕事の場でちょっと生意気な発言したり、子どもっぽいことをすると叱る。毎日毎日そればかりで、当時は押さえつけられているように感じることもありました。でもそれって、今考えればいいことだったんだよね。
ボクはまだ子どもだから、子どもらしい子どもでいたいという気持ちもあったし、用意されたような答えなんてツマラナイって思っていたんだけど。
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——晃さんはお話が上手で、一緒にいる人を楽しくさせる力を持っていらっしゃるように感じます。当時から、たくさんの先輩方にかわいがられたのでは?
そうですね。「おや、小さいのにがんばってるな」みたいに周りは思っていたでしょうね。でも仕事は別! ステージに立ったら大御所であろうが、子どもであろうがプロはプロ。
ステージに上がっている時間はボクらの時間。ボクらの前に歌う人と後に歌う人にどれだけ圧をかけられるかを考えながら歌う。ステージ上の3分間できっちりと自分を表現しなくちゃとか、そんなことばっかり考えていましたよ。
ステージに上がるまでは子どもなんだけれど、ステージでマイクに向かった瞬間からスイッチがバチンと入る。それが自分でも楽しかったね。
——当時はテレビをつければ、フィンガー5が出ていましたよね。
そう! 朝から晩までテレビ局やラジオ局を回って、自分たちの番組も持っていたからね。
——テレビ出演、コンサート、レコーディングと歌手のお仕事にもいろいろあるかと思いますが、何が一番楽しかったですか?
ボクが好きだったのはレコーディングですね。だって一つの作品を形にしていかなくちゃいけないでしょ。どうやって作りこんでいこうかって、考えるだけで楽しい。伴奏しか入っていないところに、自分の声を入れていく。もし自分の歌が失敗したら、その曲が売れないかもしれない。ちゃんと表現しないと、みんな聞いてくれない。
だから曲をもらったときから、レコーディング当日までいろいろと考えて作戦を練っていくわけです。それでワンテイク録って、おとなたちが「すごいな」って顔するのが見たくてね。
——小学生にして、ものすごいプロ根性ですね。
レコーディングはそうやって作りこんでいく楽しさがあって、ステージはお客さんの反応がダイレクトにわかるという楽しさがある。だからわざとダンスの振りを間違えて見せたりして。そうすると目立つでしょ?
ファンの子たちはちゃんと振りを覚えているから、「あっ! アキラ、わざとやってるな」って気づくわけ。実は今でもステージで同じことやってます(笑)。
人とちょっと変わったことをやりたい、目立ちたい、ほめられたい。ボクはそれだけ。だから賞レースなんかは全く興味なかったですね。