記事ランキング マンガ 連載・特集

フィンガー5の晃さん、年金がもらえるアーティストに!?「音楽は自由なんだから!」【晃さんのターニングポイント#5】

公開日

更新日

植田晴美

昔と今で違うのはプロの作曲家、作詞家がいなくなったこと

——単独ライブだけでなく、2010年から、昭和のスター歌手が集う『同窓会コンサート』、現在は『夢スター歌謡祭』に出演していらっしゃいます。

今はほとんど後輩ばっかり。大好きな先輩たちが亡くなられて、ボクより年上の人はロザンナさん、あべ静江さん……。

亡くなられてしまったけれどジェリー藤尾さん、尾崎紀世彦さんとかはすごく可愛がってくれた。あの二人はめちゃくちゃ歌がうまくてね。ジェリー藤尾さんが歌う『遠くへ行きたい』なんて、舞台の袖で聞いていても泣けてきちゃうほどうまい。技術じゃなくて心で歌っているし、歌詞もすごい。

——晃さんから見ると、現在の音楽シーンってどう思われますか?

昔って、歌手になる人ってふるいにかけられていたんだよね。

——なるほど。誰も彼もが歌手になれるわけではなくて、一定の基準を満たさないとダメ……。

そう。でも今はふるいがない。底抜けみたいな感じだから、3~4割はすごい人もいるけれど、ボクからすると「こんなレベルでお金もらっちゃうの?」って思う部分もある。もちろん上手な人もたくさんいるよ。

それから昔と大きく違うのは、プロの作曲家、作詞家がいなくなっちゃったこと。自分で曲を作って、歌っている人が多いでしょ? 「曲は自分たちで作ったほうがいい」「歌詞は自分で書くもの」と思っているみたいだけど、それってどうなのかなって思うね。

シンガーソングライターもいいと思うよ。でもプロの作曲家、作詞家がいい曲を作って、歌手がそれをどう表現するのか。昔の曲を歌ったり聞いたりすると、プロの先生ってすごいなって思う。こんなにステキなことばがあったのか、小説みたいな詩だなって思うもん。

今は「昨日何たべて、どこに行って、何を見て~」って日記書いているみたいな歌詞もあって、幼稚っぽく感じる。「わかる、わかる」って共感はするかもしれないけれど、勉強にはならない。

プロの作詞家さんの歌詞って、「あれ、これってどういうことを言ってるんだよ」って、歌うときにすごく悩まされた。すっごい考えさせられたよ。今はもうことばもカンタンでね。時代の変化なんでしょうけど、ボクは別に若い子たちに媚びたり迎合するつもりはないので、自分の好きなことしかやらないけどね。

PICK UP 編集部ピックアップ

画面トップへ移動