フィンガー5の晃さん、年金がもらえるアーティストに!?「音楽は自由なんだから!」【晃さんのターニングポイント#5】
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植田晴美
音楽にジャンルなんてある? ちゃんぷるーでいいじゃない
——フィンガー5の曲は小泉今日子さんをはじめ、いろいろなアーティストの方がカバーなさっているし、高校野球の応援歌としても使われていますよね。
曲に恵まれたっていうことですよね。ただカバーするんだったら、原曲どおりにやる必要なくて、どんどん崩していいと思う。自分たちの歌い方で、どんどんアレンジして楽しんでほしいね。
ボクなんか昼と夜のライブがあったら、歌い方とかリズムとか変えちゃうの。テンポを少し早めたりするだけで、同じ『学園天国』でも全然違うものになっちゃう。それって面白いじゃない? みんなもっと遊べばいいのにって思うよ。音楽は自由なんだから。
——何だか、生き方にもつながるようなお話ですね。歌手としてのこれからの抱負は?
よく聞かれる質問であまり愉快じゃないのがね、「どんなジャンルの音楽をやりたいですか?」。ボクはリズム&ブルースもソウルもロックもクラシックも演歌もいっぱい、いろんな曲を聴いているから、ジャンルにこだわらず、ごちゃまぜにしたい。
そもそも「音楽にジャンルなんてある?」って思うわけ。ボクは「これはやりません」っていうことはない。ちゃんぷるーでいいじゃない。
——音楽のちゃんぷるー、いいですね! 最後に、ゆうゆうtimeの読者にメッセージをお願いいたします。
人生は1回だから、楽しまないとね。人と違うことをやったら、楽しいですよ。というか、他人の言うことを気にし過ぎないほうがいい。他人の影響を受けて行動して何かあると、他人のせいにしちゃうでしょ。だから自分のやりたいことをやったほうがいい。
それから、できるだけケンカはしないほうがいい。人間だからカッとくることってあるよね。でもケンカすると勝っても負けても、そのあとぎこちなくなるじゃない。だから自分と違う意見を言われても、まあその場は適当に合わせるというか、ケンカはしないで、自分を抑える。そっちのほうが、楽しく生きられそうだなって思う。
「負けても、目は死ぬな」、これってうちのおやじの格言ね。これがベースにあれば、別にケンカに負けるなんて何てことない。そして悪いことは、できるだけ早く忘れること。
ボクも今年で64歳。サラリーマンとして働いていた時期があるので、来年から年金がもらえるんですよ。
——年金がもらえるアーティスト!
あと何年歌っていけるか、人生が残っているかわからないけれど、今は好きな仕事を楽しくやっているからさ。これからも、頑張って楽しんでいかないと、と思っています。
晃さんのターニングポイント⑤
「困ったときに、必ず助けてくれる人が現れるんですよ」歌が売れないから沖縄に帰ろうとしたときに出会ったディレクター。極貧状態のときに「開き直れ」とごはんを食べさてくれた沖縄の人。音楽活動再開の背中を押してくれた会社の同僚。大変な借金を作ったときに来た仕事!「まるでジェットコースターに乗っているみたいな人生だよね」
晃さん Profile
あきら●1961年5月9日生まれ。1969年沖縄から上京。1970年兄弟5人“ベイビーブラザース”でデビュー。その後“フィンガー5”に改名。1973年、『個人授業』が爆発的な大ヒットとなり、レコードセールス145万枚突破。『恋のダイヤル6700』『学園天国』と3曲続けて100万枚突破のミリオンセールスを記録し一世を風靡する。その後メンバーの入れ替えやグループの解散等で芸能活動を休止。サラリーマンとして会社勤めの経験を経て2002年より音楽活動を本格的に再開。定期的なライブ活動のほか、TV、ラジオ出演、『夢スター歌謡祭 春・秋』コンサート全国ツアー出演中。
撮影/柴田和宣
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