【50代以降の住み替え】ファイナンシャルプランナー直伝!快適な老後の住まい選びと失敗しないポイント
自分に合った住み替え先を見つける
住み替え先の選択肢はさまざま。それぞれの特徴を理解したうえで自分らしい暮らしをかなえられる転居先を見つけたい。
介護マンションやサービス付き高齢者向け住宅
自分で生活できる間は自立型の施設も候補に。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)はバリアフリー仕様で、さまざまな生活支援サービスを備えた賃貸住宅。「ほとんどのサ高住が食事サービスつき。見守りや生活支援サービスを受けながら自宅と同じように過ごせますが、敷金が家賃の2カ月分程度、月額利用料はグレードにもよりますが10万~25万円程度と、コストはかかります」
留意点
サ高住で介護を受ける場合は介護サービス事業所と別途契約が必要。介護度が上がったときに移れる介護型施設があるかなども確認しておきたい。
田舎の一軒家から利便性の高いマンションに
手入れが大変な田舎の一軒家から、医療機関などへのアクセスがよく、維持・管理がしやすいマンションを住み替え先に選ぶ人も。「リタイア後であれば都心のど真ん中ではなく、やや郊外で利便性のよい住まいが理想的。公園や図書館が近いなど、自分が活動しやすい場所を選んで」
留意点
要介護になればもう一度住み替えを行う可能性がある。高層マンションはエレベーターを待つ時間が長く、災害時にエレベーターが止まるリスクも。
子世帯との近居・同居
親は孫の面倒を見て、子は親のサポートをする。子世帯の近くに住み、互いにほどよく助け合いながら暮らすのは理想的。「ただし、近居の場合は子世帯のルールに従うこと。近いからといって勝手に家に入るようでは確実に嫌われます。二世帯住宅は同居に失敗した際、売却しづらいリスクも」
留意点
近居や同居は過干渉になりがちなので要注意。二世帯住宅は費用の負担を明確に。実際暮らしてみて、問題が起きた場合はどうするかまで想定して。
有料老人ホーム
食事や生活支援サービスを備えた有料老人ホームには「住宅型」と「介護型」がある。「この先、体が不自由になったときのことを考えるなら『介護型』を。『住宅型』は要介護になったら退去しなければなりません。『介護型』にも入居一時金が必要なところと不要なところがあり、不要なところは月額利用料も高額に。その分食事や介護など至れり尽くせりなので、安心して暮らせます」
留意点
事前に見学して、食事は施設内で作られているか、介護士が何人いて何年勤めているのかなどをチェック。お試し宿泊を利用してみるのも手。
田舎暮らし
「老後は田舎でのんびり暮らしたい」と考える人もいるかもしれない。「住み替え候補先に土地勘がない場合は、何かあったときすぐ病院に行けるのか、普段の買い物に不便ではないか、要介護になっても暮らしていける環境かどうかなどを確認し、しっかり見極めましょう」
留意点
田舎は住民が少ないため、住民税や国民健康保険料、水道代などが高額になる可能性も。車がないと移動できない場所なら免許証返納後のことも考えて。
住み替えに関する相談窓口
(一社)移住・住みかえ支援機構
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撮影/大坪尚人(井戸さん) 取材・文/本木頼子
※この記事は「ゆうゆう」2025年9月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
