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ロスの自宅を火事で焼失…それでも「I'm lucky girl!」91歳現役ヘアメイクの波乱万丈物語【カオリ・ナラ・ターナーさんのターニングポイント#2】

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佐藤望美

お葬式は天国の玄関口だからきれいに整えたい。お花も食事ももう決めてあります

―今は日本での暮らしがベースだそうですね。

火事の後、「日本でのんびり暮らすのもいいな」と思って戻ってきました。でも、夫のお墓はアメリカにあるし、いずれは私もそこに入るつもり。私たちには子どもがいなかったし、親類は姪っ子家族だけです。死んだときにみんなが困らないように、いろいろな手続きはもうすませてあるの。

棺桶やお葬式に使う花、埋葬後の会食で出すメニュー、記念品も決めて、支払いまでしてあります。埋葬地から会食の会場まで移動するためのバスも!姪っ子たちには、「全部手配してあるからアメリカに行くだけでいいよ」と言ってあります。

―日本だとお葬式や死に関する話題はタブー。陰気に感じられることもあります。

アメリカのお葬式は、日本と違ってお祭りみたいなもの。特にハリウッドスターのお葬式なんか、もちろん人によるけど、パーティーのような演出までするんです。私も自分のお祭りなんだから自分で考えたいと思いましたね。私にとって、お葬式は天国への入り口。これまでがんばってきたし、地獄ではなく天国に行けると信じています(笑)。天国に昇るための玄関は、きれいに飾りたいの。お葬式をする予定の場所は、天井がガラス張りになっていて青空が見えるセレモニーホールを3年前に予約してきました。部屋の四隅に桜がチラチラと舞うんです。素敵でしょ?

お葬式で飾ってもらう写真も、気に入った和装とドレスでもう撮影ずみ。その着物とドレスは火事で燃えてしまったのだけれど、写真に残せたのは本当にラッキーだったわ!

カオリ・ナラ・ターナー ヘアメイクアップアーティスト 

自分のお気に入りのドレスや着物を着て、すでに遺影も撮影済み!

カオリ・ナラ・ターナーさんのターニングポイント②
「自宅が火事に見舞われたことも、考えようによってはラッキーな出来事。なんでもいいほうに考えて笑い話にすれば、幸せになれる気がします」

PROFILE/カオリ・ナラ・ターナー
1933年東京生まれ。幼少から日本舞踊やタップダンスを始め、戦後は進駐軍慰問団にて活躍。24歳で浅草新世界のトップスターとなり、日本文化使節団として世界公演に。怪我でダンサーを引退してからメイクの世界に入り、1978年にハリウッド・メイクアップユニオン正式メンバーとなる。出世作『フラッシュダンス』ほか、『バット・マンリターンズ』『チャーリーズエンジェル』『キル・ビル』『アリーmyラブ』などを手がけ、『エイリアス』で日本人初となるエミー賞を受賞。現在は滋慶学園グループで講師を務めるほか、プロ専用コスメブランド「スターオブザカラー」(https://star-color.jp/)、ファッションウィッグのプロデュースも行う。

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