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驚きの800km!【黛まどかさん】が語る「歩く旅」。サンティアゴ巡礼や四国遍路から得た人生の気づきとは?

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ゆうゆう編集部

驚きの800km!【黛まどかさん】が語る「歩く旅」。サンティアゴ巡礼や四国遍路から得た人生の気づきとは?(画像5)

「写真を見るとさまざまな出来事がよみがえります。苦しかったときほど思い出深いですね」

カイロスと呼べる自分だけの時間を生きる

「サンティアゴ後に劇的な変化はなかったものの、以前は仕事が重なるとパニックになっていたのが、ならなくなったことが変化でしょうか。一歩一歩進めば必ず終わりにたどりつく、と。歩くことにも自信がつきました」

四国遍路も区切らず歩いているが、サンティアゴ同様満身創痍の状況。黛さんにとって、そうまでして歩く意味とは?

「生き物としての基本が歩くこと。歩くことは生きることそのものだと思っています。そもそも人類の歴史も20万年前、アフリカ大陸から出て世界中に歩いて散らばっていったのが始まりですから。歩いていると、生き物としての感覚がよみがえってくる感じがします」

歩いているときの時間は日常の時間とは異なる、とも。

「ギリシャ語で時を表す言葉はクロノスとカイロス。クロノスは過去から未来へ流れる客観的な時間、カイロスは主観的な時間です。日常は仕事も人との関わりもあり、クロノスで生きていくしかない。歩いているときはカイロスと呼べる自分だけの時間を生きていて、ものの見方も違い、いつもより能動的になります。能動的であることは、俳句にも通じます。俳句はつくるというより、やってくるという感覚。五感のアンテナを立て、すべて自覚的に生きていないとキャッチできませんから」

黛まどかさんが歩いた祈りの旅ヒストリー② 韓国・釜山-ソウル(2001年~2002年)500km

「日韓文化交流会議」の委員に選ばれ、「本からの知識ではなく、歩いて感じて韓国を知りたい」と考え、5回に分けて歩き通した。

韓(から)くにへ鵲(かささぎ)の橋渡り来て

驚きの800km!【黛まどかさん】が語る「歩く旅」。サンティアゴ巡礼や四国遍路から得た人生の気づきとは?(画像7)

ゴール近く、漢江の支流に沿って歩く。10月の終わりの韓国は寒く、息も白い。

日韓関係が複雑な時期に始めた歩く旅。定まった道があるわけではなく、出会った人に道を尋ねながら歩いた。道がなく線路を歩いたり、宿にたどりつけず、土地の人に泊めてもらい、新たな縁を築いたり。「歩いていて、しばしば見かけたのが『鵲』(別名:朝鮮カラス)です。日本ではめったに見られませんが、七夕の星の逢瀬に一役買う、七夕伝説で知られる鳥です。カチカチカチという鳴き声もなじみ深いものに」

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