【要注意】成人の5~6人に1人が糖尿病かその予備群!「ヘモグロビンA1c」の数値でわかることとは?
ヘモグロビンA1c は、血糖値を見る最重要指標
HbA1cは空腹時血糖値とともに、糖尿病の診断に使われる指標。その値が6.5%以上だと糖尿病が強く疑われる。
「HbA1cは血液の赤血球の色素(ヘモグロビン)とブドウ糖が結合したもので、過去1~2カ月間の平均的な血糖の状態がわかります。直近の食事に左右されず、継続した血糖の値が示されるのです。異常とされる6・5%は診断のための数値であり、病気というものは連続的に変化するので、6.5%未満であれば問題なし、というわけではありません。まずは自分のHbA1cがどのくらいか、知ることが大切です。
伊藤さんは「HbA1cの数値が5.6~6.4%の人は要注意ゾーン」と警鐘を鳴らす。
「この数値は、すでに血糖値スパイク(食後の急激な血糖値の上昇)などにより血管障害が起きている可能性があることを意味します。高血糖を放置すると血管が傷み、動脈硬化が促進され、脳梗塞や心筋梗塞の原因に。また血管内にあふれた糖の影響は全身に及びます。筋肉と脂肪はインスリンの働きによって糖を取り込みますが、心臓や腎臓、脳などはインスリンを必要とせず、糖がそのまま入り込んでしまうのです。高血糖が続くと、糖毒性によって発生する活性酸素により細胞が破壊され、臓器の細かい血管も傷みます。その結果、心不全や腎症などを引き起こします。脳の神経細胞も影響を受けるので、糖尿病患者は認知症にもなりやすいのです」
HbA1cの値が要注意ゾーンの場合は、今から食生活や運動など、日常生活でその値を下げる対策を始めよう。
「特に食生活は大事です。対策を続けて半年後に、またHbA1cを測り、数値が下がっていればそのまま基準範囲を目指します。上がっていれば原因を探して、早めに対処しましょう」
【後編に続く】
あわせて読みたい
取材・文/田﨑佳子
※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
