【中村雅俊さん・74歳】外交官を目指したはずが、気がつけば50年。人生は第二志望でもうまくいく
奈良橋さんの読みどおり一躍スターになった中村さんは、1975年、ライフワークとなる作品に出合う。それがドラマ「俺たちの旅」だ。中村さん演じるカースケ、オメダ(田中健さん)、グズ六(秋野太作さん)の3人の熱い青春群像劇は、10年ごとにスペシャル版も作られるほど人気を博した。
「当時、落ちこぼれ学生のドラマは前例がなくて、当たらないと言われましたよ。確かにダサいし(笑)、特別なドラマも起こらない。だけど、これが今見ても面白い。大ヒットしたのも、人を愛することだとか友情だとか、いつの時代も誰もが悩む普遍のテーマを取り上げたからでしょうね」
特に愛されたのが、毎話、最後に流れる数行の詩のような言葉だ。その中で、今も中村さんの心に残っているものがある。それが「ニッポンの将来とただひとつの愛とあなたにはどちらが大切ですか?」だ。グズ六とエリート商社マンの兄のエピソードの回に流れた言葉だが、令和の今も心に響いてくる。
【ニッポンの将来とただひとつの愛とあなたにはどちらが大切ですか?】
「俺たちの旅」で、毎回最後の画面に流れる数行の詩のようなフレーズ。なかでも忘れられないのが、この言葉だ。エリートの兄と落ちこぼれの弟の対照的な生き方を描いた回。このドラマ全体のテーマにも迫る真っすぐな問いかけが、今の時代にも響く。
「俺らバカもやったけど、普遍のテーマを真正面から一所懸命やった記憶もある。だから伝わるものもあるのかなと思うんです」
このたび、この「俺たちの旅」が、50年目にして、中村さんの監督の下、初の劇場映画になった。
「岡田奈々ちゃんも含めたメインキャストが全員そろうって奇跡だよね、ってみんなで話しているんです。いくつになっても、会えばあっという間に『俺たちの旅』になる。50年の歳月を経て今思うのは、この道を選んでよかったということ。人生は第二志望でもうまくいくんだなと思います」
INFORMATION 映画『五十年目の俺たちの旅』
1975年放送の連続ドラマ「俺たちの旅」。3人の若者が繰り広げる青春群像劇は、その後も熱い支持を受け続けてきたが、このたび50年目にして初めて劇場映画に。70代の彼らの旅はどこへ向かうのか。ぜひ劇場で楽しみたい。
●原作・脚本/鎌田敏夫 ●監督/中村雅俊
●出演/中村雅俊、秋野太作、田中 健、岡田奈々 他
●主題歌/「俺たちの旅」 歌:中村雅俊
●1月9日(金)より全国ロードショー
●配給/NAKACHIKA PICTURES
©️「五十年目の俺たちの旅」製作委員会
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撮影/池田博美
スタイリング/奥田ひろ子
ヘア&メイク/鈴木佐知
※この記事は「ゆうゆう」2026年2月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
