介護をしていて「感謝されたい」と思ったこと、ありませんか?【禅僧・枡野俊明さん】が説く、見返りを求めない幸せ
自然有春意――じねんに しゅんいあり
自然は一切の見返りを求めず
春の穏やかさを私たちにくれる。
それこそすばらしい生き方です
親は見返りなど求めず子どもを育ててくれた
現代の日本は「個人」を重視する傾向がことさら強くなりました。「私が働いて得たお金は私のもの。私のために使うのが当然」と考える人が多いと思います。ですから介護が必要になった親に対しても「親自身の貯金や年金の範囲で暮らすのが当然」「子どもが親に生活費などを援助すると、自分の老後資金が不足する。将来的に子どもに迷惑をかけるのでやめたほうがいい」と考える傾向が強くなりました。
それはとても現代的な考え方ですが、私はそうは思いません。親は自分を生み、育ててくれた人です。それこそ見返りなど求めずに時間もお金も愛情も注いでくれたことでしょう。だとすれば、今がその恩を返すときだと考えてはいかがでしょうか。もちろんそれは、ご自身ができる範囲で十分だと思います。
親に感謝してもらいたいという気持ちはわかります。それでもあえて「感謝の言葉は望まない」「子どもとして当然のこと」という姿勢が、相談者さんの行動を気高く美しいものにしているのではないかと私は思うのです。
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