記事ランキング マンガ 連載・特集

介護をしていて「感謝されたい」と思ったこと、ありませんか?【禅僧・枡野俊明さん】が説く、見返りを求めない幸せ

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

陰徳を積むことで人として成長できる

この相談文を読んで、私はイエローハット(カー用品のチェーン店)の創業者である鍵山秀三郎さんのことを思い出しました。社長でありながら率先してトイレ掃除をし、会社の周囲のゴミ拾いもしていたそうです。「自分がやった」と声高に吹聴するのではなく、感謝を求めるのでもなく、ただ人のためになる行為をする――それを「陰徳」と言います。イエローハットが大企業として成長していった背景には、創業者が積んできた陰徳があるのではないか、と言われています。

同じようなエピソードはさまざまな形で見聞きしますね。匿名で恵まれない人に寄付したり、著名な方が週末にゴミ拾いをしていたり……。そのように陰徳を積むことが、人を人として成長させていくのではないでしょうか。

もしも相談者さんのお母さまが感謝の気持ちをもたないような人であったとしても、残念に思う必要はありません。陰徳を積むことで自分自身が成長しているのです。ご自身の行為を、どうぞ誇らしく思ってください。
 
その美しい行為に、周囲の人は必ず気づいているものです。そして「あの人のように自分も生きなければ」と影響を受けていることでしょう。それが結果的に会社を大きくしたり、家族の仲をよくしたりもするのです。もしも相談者さんにお子さんがいれば、親の行動をきっと誇りに思っていることでしょう。そして遠くない将来、同じように親を支えようとするはずです。よい行いとはそういう形で巡っていくものなのだと、私は思います。

アドバイスいただいたのは

枡野俊明さん
曹洞宗徳雄山 建功寺住職
1953年神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山 建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。「禅の庭」を通して国内外から高く評価され、2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に。『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)など著書多数。

取材・文/神 素子

▼あわせて読みたい▼

>> その推し活、大丈夫?「つらい推し活」にしないための大切なポイントを禅僧・枡野俊明さんがアドバイス >>スティーブ・ジョブズも実践!「今日が人生最後でも…」の暮らし方【禅僧・枡野俊明さん】 >>「ひとりぼっち」の年末年始も怖くない。禅僧・枡野俊明さんが教える「禅」と心の拠り所の作り方

※この記事は「ゆうゆう」2026年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

画面トップへ移動