横森理香さんの【自分磨き】「面白そう」と思ったらまず挑戦!「やりたいことは全部やっていいと思う」
気持ちだけでなく体のケアもしっかりと
とてもアラ還には見えない横森さん。その若さの秘訣を伺うと、「自分の老いを認めることです」という答えが返ってきた。
「どんなに気持ちが若くて元気でも、体は別。若いときのようにはいきません。そんなはずはない、まだまだやれるなんて思わないこと。過信は禁物なんです」
つい頑張りすぎた結果、疲れがいつまでも抜けなかったり、思わぬけがをしてしまったり。誰にでも経験のあることだ。
「体のどこかに少しでも痛みや不快感があると、全神経がそこに引っ張られて、やる気もときめきもそがれてしまう。何をしても楽しめなくなりますよね」
せっかくの挑戦が、そんな形で台なしになってしまうのは悲しい。
「少しでも不調を感じたら、我慢しないで徹底的に治すこと。それと、体の使いすぎに注意しています。家電製品が経年劣化するように、人の体も長年使っていると、壊れやすくなるんです(笑)」
自分に合った健康法も模索したい。
「私がもう20年以上続けているのが早寝早起き。基本は20時就寝、4時起床です。この習慣が、健康の源になっていると思います」
きっかけはアーユルヴェーダのドクターの講義を受けたことだった。
「現代人は、自然に逆らった生活をするから病気になる。日の出とともに起きて、日没とともに眠ると自然治癒力が働く……。そう教わりました。本当にそのとおりで、早寝早起きによる健康と美容の効果は絶大です」
スキンケアにはほとんど手をかけていないが、肌トラブルはなし。やせ体質にもなった。
「ちょっとした具合の悪さなら、寝れば治るようになりました」
自ら考案した「ベリーダンス健康法」も、ルーティンになっている。
「サロン内のスタジオで、生徒さんたちに教えているのですが、レッスンがない日でも、自分のために小一時間踊って体をほぐします。もう日課になっていて、お風呂に入るのと同じですね。踊らないとすっきりしないんです」
ベリーダンスというと、ショーで披露するパフォーマンスのように思われがちだが、横森さんのレッスンは、文字どおり健康維持のためのボディワークだ。
「カチカチになった体がほぐれるし、腰を回すのでおなかまわりのもたつきが解消して、フェイスラインもシャープに。何より踊るのは楽しいので、幸せ感もアップしますね」
いつもゴキゲンな自分で心の筋力をアップ!
自分育ての一環としてもうひとつ、心がけていることがある。それは、毎日を、できる限り「ゴキゲンに生きる」こと。
「気持ちが落ちてきたなと思ったら、自分で自分の機嫌を取ります。どんな状況でもゴキゲンを保つクセをつけておくと、そのうち心の筋力がアップして、多少イヤなことがあっても、はね返せるようになるんです」
たとえば、こんなやり方で。
「考えるだけでゴキゲンになれること、あるでしょう、趣味でも、今ハマっているドラマでも、韓流スターとの疑似恋愛でも(笑)。そのことだけで頭をいっぱいにして、自分の世界をつくるの。で、その世界に心を飛ばしちゃうんです。家族の愚痴や文句に怒りが込み上げることってあるじゃない? そんなときこそ試すチャンス。負の感情に引っ張られず、自分だけの世界で心を遊ばせましょう。長年連れ添った夫だって、頭の中までは覗けないでしょ(笑)」
簡単にできるイメージトレーニングといったところだろうか。
『これから30年をゴキゲンに生きる。』
横森理香/著
エムディエヌコーポレーション/1540円
明治生まれの粋な祖母、夫と死別後、60歳で新たなパートナーを得て添い遂げた母。「そんな祖母、母、そして私の三世代コラボで書き上げたエッセイです」(横森さん)。新型コロナや不況、更年期や老いを乗り越え、ゴキゲンに暮らすためのヒントが満載の一冊。深くて鋭い祖母の言葉「おタミさんの啖呵」は、これからを生きる私たちの人生訓に。