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【親が認知症かも!?】病気について正しい情報を得ること。家族の理解が深まれば症状が穏やかになる場合も

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ゆうゆう編集部

親の認知症が疑われるとき、まずは認知症を怖がらずに、正しい知識をつけましょう。ここでは、親の認知症が不安なときにすることのSTEP2、3をご紹介します。

↓↓STEP1はこちら【親が認知症かも!?】ひとりで抱え込まず、まずは「かかりつけ医」に相談を

お話を伺ったのは

杉山孝博さん

すぎやま・たかひろ●医師。川崎幸クリニック(神奈川県)院長。
1981年より「認知症の人と家族の会」の活動に参加。認知症グループホームや小規模多機能型居宅介護の制度化、グループホームなどの質を評価する委員や委員長を歴任。患者や家族とともに、50年近く地域医療に取り組んでいる。
『認知症の9大法則 50症例と対策』(法研)など著書多数。

黒田尚子さん

くろだ・なおこ●ファイナンシャルプランナー。CFP®認定者。1級FP技能士。患者家計サポート協会顧問。城西国際大学非常勤講師。
病気に対する経済的な備えの重要性を伝える活動の他、老後・介護・消費者問題にも注力する。
近著は『終活1年目の教科書 後悔のない人生を送るための新しい終活法』(アスコム)。

STEP2 情報収集

認知症の誤ったイメージに惑わされず、正しい情報を集めることが大切。家族の理解が深まれば症状が穏やかになることも。

もの忘れと認知症の違いは?

加齢とともに記憶力や判断力が衰えるのは当然のことで、前夜の献立を忘れても大きな問題はありません。ですが、食事したことを忘れて何度も食べてしまったり、洋服の着方を忘れたり、家族の顔を忘れたりすると、生活に支障が出ます。そこが「年相応のもの忘れ」と「認知症」との違いなのです。

脳の機能低下によってあらわれる症状を「中核症状」といいます(下記)。軽度の段階で目立つのは記憶障害ですが、進行するにつれ、別の症状が出始めることも多くなります。(杉山さん)

認知症の中核症状

記憶障害

認知症の早い段階から見られる。新しい知識や体験から記憶が抜け落ちていき、進行すると一般的な知識も失う。

判断力低下

脳の情報処理機能が低下し、人の話を理解しにくくなる。状況に合わせて行動を変えるなどの判断も難しくなる。

見当識障害

時間・場所・人物を認識する能力(見当識)が低下し、今日の日付や、自分がいる場所などがわからなくなる。

失語

相手の話を理解したり、思っていることを言葉にしたりすることが難しくなる。会話もうまくできなくなる。

失行

運動機能に問題がないのに、服を着る、箸を使う、お茶を入れるなどの日常的な行為ができなくなる。

失認

目や耳などの感覚機能に問題がないのに、目に見えるものがわからない、音の意味がわからないという状態に。

実行機能障害

頭の中で段取りを組んで行動することができなくなる。そのため料理の手順などがわからないということに。

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