【光る君へ】藤原道長(柄本佑)への変わらぬ想いを伝える紫式部(吉高由里子)。二人は唇を重ね…
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志賀佳織
そして第22回「越前の出会い」では、いよいよ、まひろの越前での暮らしが始まる。長徳2(996)年夏、敦賀の松原客館をまず訪れた親子の前に現れたのは、宋人の朱仁聡(ヂュレンツォン/浩歌)と通詞(つうじ)の三国若麻呂(みくにのわかまろ/安井順平)だった。朱たちは商人であり、宋から乗ってきた舟が壊れたため修理を前の国守に頼んでいたのだが、いまだに出来上がらないのだと訴える。
一方、まひろは従者・乙丸(矢部太郎)をともなって、浜辺に出てみる。すると一人の宋の若者(松下洸平)がそこにいた。「私はまひろ」と自己紹介すると、若者は棒きれで砂に「周明」と書いた。「シュウメイ?」「ヂョウミン」。「ヂョウミン……難しいのね、宋の言葉って」。すると周明は誰かに呼ばれて去っていった。去り際「再見(ザイジィエン)」と軽く礼をしながら。
翌日、国府に到着したまひろたち親子を越前介(すけ)・源光雅(みつまさ/玉置孝匡)、越前大掾(だいじょう)・大野国勝(くにかつ/徳井優)らが出迎える。真正面から政に取り組もうとする為時に対し、彼らの反応は冷ややかだ。そして賄賂まで渡そうとする始末。為時は「そなたは私を愚弄する気か。下がれ!」と一喝して賄賂を突き返した。これ以降、官吏たちから為時への嫌がらせが始まる。
そんな為時が過労で胃痛を訴え倒れると、朱が「宋の薬師(くすし)を呼ぶ」と言ってある人物を連れてきた。それは昨日の青年・周明だった。初めて目にする宋の医療器具。「楽になったやもしれぬ」と感心する為時。まひろは医術にも青年にも興味を覚えていく。
そんな折、通事の三国が殺されたとの報が入る。そして朱が犯人として捕らえてしまったのだ。まひろは左大臣・道長に報告することを父にすすめ、その文を代筆する。
その頃都では、定子の母・高階貴子が死去。弔問に訪れた道長に、定子は「帝の子をみごもっている」と告げる。「左大臣殿、どうかこの子をあなたのお力で守ってください。私はどうなってもよいのです。されどこの子だけは」
越前ではまひろたちのところに周明がやってくる。そして明瞭な日本語でこう必死に訴えるのだった。「朱様は通詞を殺していない!」
越前編になると、京の都とはガラッと趣も変わり、サスペンスだったり冒険だったりの要素が加わってきて、また物語が活気づいてきた。ここでまひろがどう生まれ変わるのか、そして『源氏物語』にどう結びついていくのか、周明という青年との出会いも今後の鍵になりそうで楽しみだ。大河ドラマ、後半にも期待大である。
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