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50代半ばで転職したブイロガーの決断とは?思わぬ資格が役に立った経験を告白

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ゆうゆうtime編集部

このとき、ナツさんは38歳。世に「ネットショップ」が少しずつでき始めた頃で、ワインのネットショップ事業に携わることになったのだ。
「なんだ、この資格が役に立ったよ、という感じで(笑)」

言葉とワインの知識を生かせる仕事は、ナツさんにとって、ようやく手にした天職。プライベートでも幾度かフランスに行き、ワイナリーを訪ねて造詣を深めるなど、公私の歯車がうまく噛み合い始めていた。ところが、その後ネットショップ業界は急拡大。ナツさんが関わる事業は淘汰の波にのまれ解散。

40代後半にしてまた路頭に迷ってしまったナツさんは、その後、IT企業や販促会社を転々とすることになる。

「常に自分と社会の折り合いのつけ方を模索していました。生活のため、生きていくため、これくらいの暮らしをするには、これくらいのお給料が必要で、と思い込んでいるところがあったし、その半面、好きなことも捨てきれず、自分を生かしていきたいという思いもあったし」

気がつくと50代半ば。その頃はEC支援会社に勤めていた。常に売り上げが問われる状況の中、複数のクライアントの改善策や企画提出、サイト制作代行を同時にこなす日々を3年ほど過ごしていたのだが、ついに心が悲鳴をあげてしまった。空が青く見えなくなってしまったのだ。「やめよう」、あっさり決断できた。

「空が青く見えないって、生きている意味がないから」

何よりも自分の感受性を守りたい。そう考えたナツさんは、正社員から派遣契約に切り替え、心が平穏でいられるよう、売り上げノルマのない事務職を選んだ。一方、収入は今までの6割に。それゆえ必然的に生活の見直しを迫られた。まず行ったのは、固定費の削減。都心から郊外の古いマンションに引っ越して、月々にかかる家賃を大幅にカット。さらに食事もほぼ自炊にし、平日の昼ごはんはお弁当に切り替えた。すると、コンビニに立ち寄ることもなくなった。

「今までは、なんとなくあれこれ買ってしまっていたけれど、決して欲しいものではなかったんだなって」

動画編集には「Adobe」のPremiere Proを使用。

ブイログの切り口を考えるのは通勤電車の中で。考えがまとまると週末に制作。最初の土日に撮影、翌週に編集というスタイル。「集中すると余計なことを考えなくなるし、そもそも表現することが好きなんだと思います。苦行のような時間を要するんですが、これに代わる喜びがほかにあるだろうかと考えると私の場合はなくて。ブイログを通じて自分と似たような考えの人と会えるといいなと思っています」

撮影/清永洋

※この記事は『自分サイズのすっきり大人暮らし』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

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