【要注意!】「右の肋骨下の激痛…」食中毒に似た症状の【急性胆のう炎】とは?
主に、胆のうにできた結石(胆石)がつまることで起こる急性胆のう炎。その症状は食中毒に似ていますが、痛みの出る場所で判断できるそう。急性胆のう炎を疑ったら、できるだけ早く受診しましょう。
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右側の肋骨の下あたりに立っていられないくらいの激痛
肝臓の下にある小さな臓器、胆のうはどのような役割を担っているのだろうか。
「胆のうは肝臓で作られた胆汁をためて濃縮したあと、胆管を通して十二指腸に運ぶ役割をしています」と、常喜医院院長の常喜眞理さん。
胆汁は主に脂肪分の消化を補助する液で、食べ物が十二指腸に届くと胆のうが収縮し、ためていた胆汁を出す仕組みになっている。
「急性胆のう炎の多くは、十二指腸につながる胆管に胆石がつまることが原因で起こりますが、胆石ではなく胆砂がつまることもあります。胆石・胆砂がつまって胆汁の流れが悪くなり、そこに十二指腸から菌が逆流してきて炎症を起こします」
胆石は胆汁が結石化したもので、胆砂はその前段階のものと考えられている。
「胆石が原因ではなく、胆のうや胆管にがんがあって、そのために流れが滞り炎症が起きるケースもあります。つまり、胆のう炎になって初めてがんが発見されることもあるのです」
急性胆のう炎の主な症状は腹痛と発熱だ。
「右側の肋骨の下あたりが痛みます。立っていられないくらいの激痛で、熱は38度くらいのこともあれば39度を超える高熱の場合も。付随して吐き気やおう吐、下痢、おなかにガスがたまる、便が出なくなるなどの症状が出ます。これらは痛みと炎症で腸の動きが鈍るためです」
腹痛は食後に起こることが多く、おう吐を伴うと「食中毒では」と疑う人も多いようだが……。
「食中毒の場合はおなか全体が痛みますが、急性胆のう炎は右側の肋骨の下あたりに激痛が出ます」
急性胆のう炎を疑ったら、できるだけ早く消化器内科で、近くに消化器内科がなければ内科で受診したい。
「医療機関では血液検査や腹部超音波検査を行って診断します。超音波検査の設備がない場合も、たいていは血液検査の数値で判断できます。これまでに人間ドックなどで胆石があると指摘されている場合は、医師に伝えましょう。胆のうがんも増えているので超音波検査は大事です」
腹部超音波検査では、胆石の有無や胆のうの状態の他、肝臓、ひ臓、腎臓、見える範囲でのすい臓の状態や、腹部大動脈に大動脈瘤がないかなどもチェックできるという。
「一般的な健康診断の項目には入っていないので、人間ドックや何かの機会に、腹部超音波検査を受けておくことをおすすめします。胆石の有無がわかっていると、腹痛で受診するときも診断の助けになります。ただ、原因の一つである胆砂に関しては、一日でできて一日で消えてしまうことがあるので、超音波検査では見つからない可能性もあります」
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