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【養老孟司先生、がんになる】教え子の医師がすすめる「やらないと損する」がん検診とは?

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ゆうゆうtime編集部

心筋梗塞の奇跡的回復から4年。養老先生が、がんになりました。2024年5月16日に「小細胞肺がん」と診断されてから、抗がん剤治療の途中までの約3カ月に密着した新刊『養老先生、がんになる』(養老孟司・中川恵一著 エクスナレッジ刊)より、一部を抜粋してお届けします。養老先生の教え子であり、ご自身もがんを経験された中川恵一先生が、がん検診についてお話しします。

▼養老先生2回目の抗がん剤治療の様子▼
「養老孟司先生、がんになる」2回目の抗がん剤治療で、入院中の様子を聞きました

『養老先生、がんになる』養老孟司・中川恵一著(エクスナレッジ刊)2024年5月から始まった抗がん剤治療、6月の建長寺虫供養、7月〜8月の虫展開催に向けての準備をしながらの再度の入院、そして放射線治療を受けた3カ月に密着した闘病記です。

私ががん検診をすすめるのは?

養老先生は、がん検診をこれまで受けたことがありません。これに対し、私はがん検診を受けるべきだと、ずっと言い続けています。

受けるべきがん検診は、住民検診で受けられる5種類のがん(肺がん、大腸がん、胃がん、乳がん、子宮頸がん)です。これらのがん検診は、健康増進法という法律で定められていて、その費用も税金でまかなわれています。自治体によって異なりますが、自己負担金はゼロか、あってもごく少額の負担で受けられます。

そして、これらのがん検診が死亡率を下げるという証拠もあります。お金もほとんどかからず、自己負担もほとんどないのですから、これは受けないと「損」です。

5つ以外のがんに関しては、人間ドックなどで受けられるものもありますが、すごく費用がかかります。会員制の人間ドックは入会金だけで数百万かかるところもあります。私に言わせれば、これを受けるのも明らかに「損」です。

そもそも、先に述べた5つのがん以外のがんについては、今のところ根拠のある検診がないので、そこは運命にまかせるしかないと、私は思っています。その点に関しては、養老先生と考え方が似ています。


がん予防については、養老先生にかなり近いと思っています。私はタバコを吸いませんが、お酒はけっこうな量を飲みます。私のお酒のリスクは、養老先生のタバコのリスクとあまり変わらないのではないでしょうか。

がんの予防のために、野菜をいっぱい食べるという人がいますが、私はまったく興味がありません。

そんな食生活をしたところで、がんが予防できる証拠はありません。健康情報にやたらくわしい人がいますが、実際に正しいことをやっているようには見えません。

私は週3回ジムに行って運動をしています。運動ががんによいという科学的データはありますが、私の場合、運動が好きだからやっているだけで、がん予防のためではありません。

また養老先生と同じように、私もコーヒーが大好きです。コーヒーががん予防によいという話をしましたが、これもがん予防のために飲んでいるわけではなく、好きだから飲んでいるだけです。がん予防のデータがあるからといって、普段コーヒーを飲まない人が、無理して飲む必要はないでしょう。


医者ですから、「がんの予防法は?」と聞かれたら、「禁煙」と答えます。がんのリスクで一番大きいのがタバコですから。

でも、吸いたい人に強く禁煙をすすめることはしません。リスクについて理解した上で、あとは本人が判断すべきことです。

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