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【湯川れい子さん・88歳】が教えてくれた「80代と70代の違い」とは?ビートルズに単独インタビューした過去も

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ゆうゆう編集部

音楽評論家としてキャリア60年以上の湯川れい子さん。湯川さんの“老けない脳”の秘訣とは? じっくりとお話を伺いました。

88歳の科学者・中村桂子さん
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PROFILE
湯川れい子 音楽評論家、作詞家

ゆかわ・れいこ●1936年東京生まれ。
60年ジャズ評論家としてデビュー。以後六十余年にわたって国内外の音楽シーンをメディアで紹介し続けている。
作詞家としても「涙の太陽」「ランナウェイ」などヒット曲多数。
近年は、平和活動や音楽療法などのイベントや講演も行う。
著書に『時代のカナリア』など。

病気をして再認識した睡眠の大切さ

「2026年はビートルズが初めて来日公演を行ってから60周年です。当時私は、彼らが滞在するホテルで単独インタビューをしました。リアルタイムでビートルズと関わった“歴史の生き証人”として語ったり、書いたりする人が、もう私ぐらいしか残っていなくて。だから必然的に忙しくなるんですね」

包み込むような優しい笑顔で、こう話す湯川れい子さん。音楽評論家として88歳の今も引っぱりだこだ。加えて、作詞に原稿執筆、ラジオDJ、環境保護の活動にも力を注いでいる。

「こうして仕事をしていることが、意識しなくても脳トレになっているんじゃないかしら」

まさに頭も体もフル回転。そんな湯川さんだが、1年前に過労で倒れて1カ月入院した。

「原因はストレスと栄養不良。仕事は好きですが、忙しいとストレスにもなるんですね。しかも年齢的に、疲れすぎると食べられなくなっちゃうんです」

あらためて、自分の体と向き合うきっかけになった。

「やっぱり80代は70代のときとは違います。老化はいや応なく進行するもの。だから、今の自分の体力を認識して、これまで以上にきちんと体を休め、ストレスをためないよう肝に銘じました。具体的には、まずお風呂。必ず湯船にゆっくり浸かる。すると新陳代謝がよくなって疲れがとれるんです。少し熱があるときは、腰湯や足湯をします」

そして何よりの健康法は、「睡眠」だと話す。

「私は昔、輸血がもとでC型肝炎に感染したのですが、そのとき主治医に言われました。『どんな名医も妙薬も、睡眠不足には勝てません。しっかり寝てください』と。睡眠が足りないと免疫力が落ちてしまうんですね。以来、8時間睡眠が目標。床に就いてすぐ入眠できないときもあるけれど、横たわっていれば体は休まります。自分を眠りに就いた白雪姫と思って(笑)、とにかく8時間はベッドの中にいることを習慣づけています」

仕事柄、早寝早起きにはこだわらない。

「夜コンサートを聴きに行くことが多いし、帰宅後にメールの返信などしていると、床に就くのは深夜1時、2時。そこから8時間寝るので朝は遅いです」

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