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【ひとりの時間の過ごし方】寂しさや孤独を感じたときはどうすればいい?|中道あんさん、石原加受子さんがアドバイス

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ゆうゆう編集部

【相談②】ひとりの寂しさや孤独を感じたときは?

ひとりで過ごす夜の時間などに、寂しくて孤独感に襲われるときがあります。今は家族がいても、いつかはひとりになるかもしれない……と思うと不安になって。寂しさや孤独を感じたとき、どうしたら気持ちを前向きにもっていけるのでしょうか。

【中道さんのアドバイス】孤独は感性を研ぎ澄ますクリエイティブな時間。不安になったら動きましょう

寂しさや孤独に襲われることって、誰にでもありますよね。そんなとき私は、孤独をとことん味わうようにしています。「ああ、私って今孤独を感じているんだ。何でだろう」って、自分と向き合う時間にします。そして孤独を実感し尽くしたら、どうやって孤独を楽しめるかに気持ちを切り替えるようにします。

孤独って感性を研ぎ澄ましてくれる存在ですから、孤独な時間はクリエイティブな作業にあてるのがいいと思います。読書や手仕事もいいですし、絵や文章をかくのもおすすめ。

私はひとりの時間にSNSの発信をしていますが、文章を書くようになってから考えを整理するのがうまくなりました。恥ずかしながら40歳まで読書には無縁でした。文章を書くようになって、読書の面白みがわかってきました。

相談には「いつかはひとりになるかも」という不安に襲われるとあります。なぜひとりがそんなに怖いのでしょう。「孤独死するのはいやだ」など、具体的な言葉にしてみましょう。不安って、96%は現実にならないといわれています。だから今不安に思っていることは、ほぼ起こらないってことなんです。

不安になったら「今」に集中するのが一番です。「今日はこれをやる」「明日はここに行く」と、今日と明日の2日分のことを考えましょう。そして体を動かせば、不安は不思議と消えてしまうものです。

【石原さんのアドバイス】孤独のよさもある。それでも寂しさに負ける夜は、わんわん泣いていいのです

ゆうゆう世代の人たちは、「ひとりは寂しい」「孤独は不安」という価値観を若い頃に植えつけられているのかもしれません。だから孤独のネガティブな部分ばかり見て、寂しくなってしまうのだと思います。

でもね、寂しさや人恋しさが募ると、病気をしやすくなってしまいます。寂しいと誰かにかまってほしくなるでしょう? 病気になればてっとり早く優しくしてもらえるから、無意識のうちに病気を引き寄せてしまうんです。でもそれでは楽しくありませんよね。

逆に、孤独を楽しもうと思えばいろいろなことができます。ひとりの食事は寂しいかもしれないけれど、好きなものをゆっくり味わうことができるでしょう。一杯のお茶を丁寧に淹れて「ああ、おいしい」と感じることもできます。人の世話をする必要がないからラクですし、誰かに何か指図されることもありません。とても自由です。

それでも、たまらなく寂しい夜はあるものです。そんなときは泣きましょう。わんわんと声を出して、思う存分泣きましょう。「寂しいなんて思っちゃダメ」とか「もっと強くならなくちゃ」と、寂しさを否定するのではなく、「寂しいなぁ。本当に寂しいなぁ」と泣いていいのです。

人間は、ポジティブに向かう強さをもっています。どんなに大きな寂しさにのみ込まれてしまっても、人は必ず立ち直れると信じてください。

※この記事は「ゆうゆう」2024年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/神 素子

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