「脳に効くはちみつのとり方は?」朝からさくさく動けるようになる【はちみつ習慣#2】
料理やお菓子だけではない、普段の体調不良や体力作りにも、はちみつが役に立つということを知っていますか? はちみつのスペシャリスト 前田京子さん著『新装版 ひとさじのはちみつ 自然がくれた家庭医薬品の知恵 』(マガジンハウス)から、一部を抜粋、再構成して、その魅力をお届けします。6回に分けて紹介する第2回は、「寝覚めのはちみつ」について。
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1日のうち、はちみつをなめる「ベストタイム」は、まさかの…!喉の痛みや胃の不調にも【はちみつ習慣#1】前田京子さん プロフィール
まえだ・きょうこ
国際基督教大学教養学部、東京大学法学部卒業。手作り石けん・ボディケアブームの先駆けとなった『お風呂の愉しみ』(飛鳥新社)、『はっか油の愉しみ』(マガジンハウス)他、著書多数。2015年発売の『ひとさじのはちみつ 自然がくれた家庭医薬品の知恵』は10万部のベストセラーに。持ち前の探究心から得た知見と暮らしの楽しみ方を結びつけるアイデアを惜しみなく伝えている。1962年生まれ、横浜市在住。
寝覚めのはちみつは脳に効く
体質というのは不思議なもので、一朝一夕には変わらない。たとえ習慣を改めて黄金の時間に睡眠を取り、めでたく疲労回復をなしとげて寝床から出ても、起き抜けの私の脳細胞は、すぐには目覚めてくれないのだ。さくさく行動を開始している夫を横目で見ながら、どこかぼーっとして、手足の動きもめっぽう鈍い。
ところが、歯みがきを済ませてひとさじのはちみつを口にすると、頭の中に朝の日光がすすーっと射し込んでくる。甘みが口の中に広がっていく様子はまるで、日陰の地面が端から段々明るくなっていくところを見ているようだ。
健康のために、一日にひとさじだけはちみつを摂ろうというのなら、はちみつと睡眠の細胞再生、修復作用の仕組みを生かすために、寝る前が一番いい。*1
だが、それに加えてもうひとさじを「薬」のつもりで摂るのならやはり、起きて最初のひと口としてというのが、断然いいだろう。
なぜなら、はちみつの糖分は、砂糖と違ってそのほとんどが、すでにブドウ糖と果糖に分解されているから、寝ぼけた脳の細胞にすばやくダイレクトに燃料を投下してくれる。
しかも、はちみつは、各種栄養素をからだに吸収されやすい形で含んでいる栄養爆弾だ。クエン酸、グルコン酸、コハク酸などの有機酸やアミラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの酵素類、ビタミンB1 、B2 、B6 、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸、コリンなどのビタミンB群だけでなく、さまざまなビタミンをバランスよく含んでいる。アミノ酸を全20種類、カルシウム、鉄、銅、マンガン、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを全27種類。それにポリフェノールなどの各種抗酸化物などなど。一日を始めるにあたっての栄養補給としては、まことに理想的なのである。
*1 はちみつ小さじ1杯は約20キロカロリー(砂糖の約3分の2)であることを意識するとよい。寝る前のはちみつは安眠、熟睡を誘い、寝ている間の脂肪燃焼の効率を良くするとも言われる。