【和田秀樹さん】「高齢女性こそ恋せよ!」医学的にも判明しているそのメカニズム
ダイエットは厳禁
逆に、年をとってしてはいけないのがダイエットだという。
「人間、同じ脳だったら、『枯渇した脳』よりも『豊富な脳』のほうが働きがいいんです。太っているほうが脳に糖分が行くから頭がいいし、活動もよくなる。だからちょっと太っている人のほうが、元気で長生きで、知的にも活躍していることが多い。私は、ダイエットは現代の『纏足(てんそく)』だと思っています。『纏足』とは、かつて中国で行われていた風習で、『足が小さいほど美しい』という価値観を女性に押し付け、小さい頃から足に布を巻くなどして大きくならないようにしたのです。これと同じで『痩せているほど美しい』という幻想を女性たちに植え付け、その活力を奪い、女性が社会で活躍できないようにしているように思えてなりません。ダイエットって、頭が悪くなるわ、免疫力が落ちるわ、鬱になりやすくなるわ、ろくなことがない。しかも、痩せている女性とちょっとぽっちゃりしている女性だったら、後者のほうが絶対に若く見える。だからダイエットはしたらダメです」
和田さんが思う「愚の骨頂」はまさかの…
年をとると、総じて誰でも「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ばれるわけだが、実は人間、年をとればとるほど、その外見も、体力も、健康状態も個人差が大きくなる。『平均寿命まで生きたい』など、周りと同じぐらいの『平均』を求める声が強いが、平均を求めるといのは「愚の骨頂」だと和田さんは言う。
「健康診断も、受診した人の平均を『正常値』としているだけで、根拠はないんです。つまり、健康か健康でないかは、病気かどうかで判断するのではなく、たとえばご飯が美味しいとか、今日もタバコがうまいとか、そうした主観的なものだと考えたほうがいい。特に平均寿命を超えてなお元気な人に、医者がどうこう言うのは僭越だと思います。子育てをしたり、会社で働いたりした『第1の人生』を終えたら、そこからの『第2の人生』は自分のために生きる。人生は自分が主人公のドラマなのですから、今この一瞬を楽しむことを重ねていくことでより豊かに生ききることができるのではないでしょうか」
撮影/佐山裕子(主婦の友社) 取材・文/志賀佳織 イラスト/ピクスタ
※この記事は「ゆうゆう」2025年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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